福島原発告訴団の会見(全文2/完・質疑応答)安全アピールは東京五輪のため via The Page

(抜粋)

武藤:この5年間の間に福島県民は非常に分断をされてきました。それは避難区域の問題や賠償金の違いによって、それぞれが不信感に陥るという、そし て対立するという現象も起きてきていました。しかし、それぞれの被害というものをお互いが知らないということが問題だと思ったんですね。それで、お互い に、今回、ひだんれんを結成したのは、本当に立場の違う人たち、状況の違う人たちが一緒になる、そしてその被害がそれぞれ違うんだということをお互いに理 解するためという理由もありました。分断を越えて、みんなつながることによって大きな力になっていきたいと思っています。あと、同心円の。

長谷川:じゃあ私のほうからは同心円について、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。私は非常にナンセンスなやり方だと思ってます。国では 当初から同心円というものを出してはきました。しかし、実際的にはSPEEDIというものがありますよね、スーパーコンピュータ。あれのデータでは、すで にもう北西部に流れているということは分かっていたんですね。にもかかわらず、そのデータを国では隠してしまったということなんです。それによって、私の 住む飯舘村は30キロ外という表現によって、取り残されていったわけですね。

しかしながら汚染が非常にひどいということが隠し切れなくなり、そして1カ月後にようやく計画的避難というものが設定されたんだと思います。その 結果、やはり今回の福島第一原発の事故によって、福島県内でこの飯舘村の人たちが最も被曝をしてしまったわけです。それは国からの避難指示の遅れ、そして 行政のふるさとを捨てたくないという強い思いから避難がどんどん遅れていった、その結果、最大の被曝をしていったということが言えます。

(略)

長谷川:除染についての質問を受けました。それで、私の村、飯舘村もいまの除染の進捗率は、除染を3年後に終えまして、それで進捗率が約50%、約 半分までしか進んでいないわけです。そして国では、今年の12月までに飯舘村の除染を終えますよと言っているわけですね。私としてはそんなことはあり得な いと思ってます。申し訳ない。今、私は飯舘村という表現をしましたけども、今年の12月までに除染を終えるというのは、今の避難指示区域、帰還困難区域を 除いた避難指示区域、全てでございます。

そしてフレコンについては、2年~3年くらいが限度だろうという話がたくさん聞こえます。そういう中で今現在は大きなシート、今、私のところでも フレコンがだいたい5段くらいに積み重ねられております。そしてそれは、積み重ね終わったところから大きなシートに覆われています。

そのために、いま現在は中の状況が見えないようになっています。

(略)

夕刊フジ:My name is Hiroyuki Fujita, Independent, write for『夕刊フジ』。私、これは悲劇だと思うのです。なぜ悲劇かと言いますと、そもそも私はイバキュエーション、避難、強制避難、必要なかったと思ってる んです。なぜか。今、1ミリシーベルトっていう話が出ましたけど、私、Scientists for Accurate Radiation Information. SARIという科学者の国際組織のメンバーのアソシエイトメンバーですけども、その方々もそうなんですが、例えば国立がんセンターで、100ミリシーベル ト、年。(略) 低線量放射線はその避難をするほどリスクはなかったんじゃないかと。そもそも避難は必要じゃなかった、除染も必要ない、汚染水って言いますけど、 あの水を福島にためる必要もないという、海に流したらいいというそういう意見もあるんですよ。それ、どう思われますか。私、悲劇だと思いますよ、本当に。

長谷川:これについては、いろいろな考え方の人たちがいると思うんです。これで、10マイクロでも危ないよという人もいる。1ミリでも大丈夫だよと いう人もいる。いろいろな考え方の相違によってだと思いますけども、われわれやっぱり、低線量の被曝についてもよく解明されていないというのがこれ、現実 だと思うんですね。そういうことをやっぱり踏まえた場合は、万一のこと、万が一のことを考えた場合の対応というものは、やっぱり必要ではないのかなと、そ ういうふうに思ってます。まだよく分からないというのが、われわれの現実じゃないのかなと、そういうような考えを私はしています。

武藤:子どもたちの甲状腺がんの検査の結果、いままでに166人の子どもたちががんと、がんの疑いになっています。そのことが原発の事故が原因かど うかはまだ分かりませんけれども、私たちはやはり子どもや未来の世代を守る義務があると思うんですね。だから予防原則に立って私たちは避難すべきであった と思っています。

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