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原発事故・自主避難者への住宅無償提供「打ち切り」に反対――東京の3弁護士会が声明 via 弁護士ドットコム

2011年3月の東京電力・福島第一原発事故の後、福島県東部などから「自主的に避難した人」に対して、災害救助法に基づいて無償で行われている「住宅提供」を、福島県が2016年度で終了する方針だと報じられている。

こうした報道をうけ、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会という東京にある3つの弁護士会は5月27日、福島県に対して、自主避難者への住宅無償提供を打ち切るという方針を「直ちに撤回するべき」と求める会長声明を連名で発表した。

声明は、東京都内にいる7424人の避難者(2015年4月16日時点・復興庁調べ)の中に、政府がした避難指示区域「以外」の地域から自主的に 避難してきた人が数多く含まれていると指摘。「自主」避難者と呼ばれているといっても、「実際自ら望んでわざわざ避難生活を選んだ者はいない」「避難生活 を選択せざるを得なかったという点では、避難指示区域からの避難者と本来変わるものではない」と述べている。

(略)

会長声明の全文はこちら

●原発事故による避難者に対する住宅無償提供終了に反対する会長声明

2015年05月27日

東京弁護士会   会長 伊藤 茂昭

第一東京弁護士会 会長 岡  正晶

第二東京弁護士会 会長 三宅  弘

東日本大震災以来、被災者に対する無償住宅提供は、災害救助法に基づき1年ごとに期限が延長されてきたところ、本年5月17日、朝日新聞において、 福島第一原発事故により政府からの避難指示を受けずに避難した自主避難者について、福島県が避難先の住宅の無償提供を2016年度(平成28年度)で終え る方針を固めたとの報道がなされた。

仮に当該報道が事実だとすれば、原発事故による区域外避難者への住宅提供は2017年(平成29年)4月以降もはや延長されず、打ち切られるということになる。

自主避難者は、政府による避難指示区域外から避難したということで「自主」と呼ばれるが、実際自ら望んでわざわざ避難生活を選んだ者はいない。放射 能による健康被害に不安を持ち、避難生活を選択せざるを得なかったという点では、避難指示区域からの避難者と本来変わるものではない。

そして、自主避難者の多くは、災害救助法に基づく無償住宅の提供を各自治体から受けて生活している。その正確な数は公式には発表されていないが、福 島市、郡山市、いわき市などから約2万1000人が、また既に避難指示が解除されている旧避難指示区域・旧緊急時避難準備区域からの約2万人が、現在も避 難を続けているとされている(2015年1月28日内閣府原子力被災者生活支援チーム公表資料)。東京都内にも2015年4月16日現在7424人の避難 者がいるとされているが(復興庁調べ)、この中にも数多く自主避難者がおり、災害救助法に基づく無償住宅の提供を受けている。

自主避難者の中には、仕事を失った者、子どもを転校させた者、家族が別れて生活している者などが多数存在する。その精神的・経済的負担は測りしれな い。しかしながら、東京電力から受けている賠償額は不十分であり、生活費増加分や交通費すら十分に支払われていないのが現状である。そのような中で、自治 体から無償で提供されている住宅は避難生活を続けるための重要な支えとなっている。

仮に無償住宅の提供の打ち切りがなされ、福島県への帰還をすることになれば、避難先での仕事、学校生活、その他ようやく築きあげた人間関係を捨て去 ることになるが、それは容易なことではない。一方で、避難生活の継続を選択すれば、家賃負担がのしかかり、たちまち経済的困窮に立たされる可能性が高い。 このような事態を招くことは絶対にあってはならない。

自主避難者に対しても幸福追求権(憲法13条)、生存権(憲法25条)に鑑みて、将来的な生活支援のための計画が立てられなければならない。

被災市町村の一部には「無償提供を続ける限り、帰還が進まない」との考えを持っている関係者もいるとのことであるが、帰還するか否かは被害者が自由 に選択するべきものである。被害当事者の意向を無視し、苦境に立たせることは復興政策ではなく、「避難する権利」などの人権侵害に他ならない。

よって、福島県は区域外避難者への住宅無償提供を打ち切るという方針を直ちに撤回するべきである。また、政府は被害者の意向や生活実態に応じた立法措置を早急に講じるべきである。

以上

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There’s a gender divide on nuclear power, but it doesn’t mean what you think it means via Vox

Over at Morning Consult, they’ve done a survey on attitudes toward nuclear power, and according to reporter Davis Burroughs, nuclear reactors “face pronounced unpopularity among an unexpected bloc: women.”

[…]

So what are you saying?

In the name of heading off at least a few of the outraged emails I’m sure to receive about this, let me head off a few misunderstandings.

  • As Julie Nelson reminds us, the data tell us only about statistical patterns. They do not tell us anything about “men” and “women” as such; they do not support any conclusions about intrinsic or biological qualities of this or that demographic. And they certainly don’t tell us anything about particular individuals, each of whom is a precious snowflake. Plenty of non-males and non-whites support nuclear power; plenty of white males oppose it. Plenty of people take climate change seriously and support nuclear, or vice versa. Everyone has their own reasons for believing things and deserves to have those reasons taken at face value.
  • The patterns in the data likely reflect social and economic forces, not biology or destiny. Social and economic forces can be interrogated and changed.
  • I noted: the same demographic (“white hierarchical and individualistic males”) that dismisses the risks of nuclear power in disproportionate numbers also dismisses the risks of climate change in disproportionate numbers. Per above, this does not mean that all climate change deniers support nuclear power or that supporting nuclear power makes you any kind of denier. The case for or against nuclear power is distinct from the case for or against climate change concern, and, again, each deserves to be taken at face value.
  • Just as an anecdotal matter, I have noticed that supporters of nuclear power have trouble letting go of the knowledge-deficit model (just as climate scientists and wonks often do). They react to gaps like these by wondering how the unduly frightened masses can be made more rational, i.e., can be made to see things how they see things. But white males ought to contemplate why almost all other groups are more sensitive to local risks than they are. Perhaps it’s not as simple as everyone else being wrong.

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露の「海上原発」費用4倍に 諸外国売り込みも経済性に疑問符 輸出にも暗雲 via 産経ニュース

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアが実用化を目指している世界初の「海上原子力発電所」の建設費が、沿岸のインフラ整備も含め、当初計画の4倍にも達するこ とが明らかになった。船上の原子炉で発電を行う海上原発について、ロシア政府は遠隔地に電力を供給する画期的技術だとし、諸外国への売り込みにも力を入れ る方針を示していた。建設にかかる期間や費用が大幅に増えていることで、経済的合理性にはいっそうの疑問符がつきそうだ。

(略)

ロスアトムは海上原発について、本来は送電が困難な遠隔沿岸部でのエネルギー確保を可能にすると強調し、極東の各地や北極圏での石油・天然ガス開発 に投じることを計画。発電施設を海水の淡水化に利用できるという利点も訴え、原発ビジネスの切り札としてアジア・アフリカ諸国への「輸出」に乗り出す構え も見せてきた。

ただ、経済性や安全性をめぐる異論は当初からロシア国内にもあり、建造を商業ベースに乗せるめどは立っていない。

ロスアトムは昨年、海洋での資源開発に関心を持つ中国と、海上原発に関する合弁企業を立ち上げることで基本合意。しかし、技術獲得を狙う中国と、「電力売却」の形をとりたいロシアの溝は深く、具体的な動きには至っていない。

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NRC finds fault with Pilgrim Station’s winter storm shut down via The Manomet Current

The extra inspections that Pilgrim Nuclear Power Station has been subjected to may not be ending any time soon.

The Nuclear Regulatory Commission  has come out with its findings following the plant’s emergency shutdown during the January 27, 2015 blizzard.

During the shutdown, one the safety relief valves did not open properly, according to NRC spokesman Neil Sheehan. NRC inspectors found that the problem with the valve should have been found and fixed during a plant shutdown in February 2013, he wrote in an e-mail. Instead, the problem with those valves was found when they were inspected after the January 2015 shutdown.

The February 2013 shutdown was also caused by a winter storm. Federal inspectors weren’t satisfied with how Pilgrim Station staff handled the situation then, either. The plant has been subject to additional inspections since then.

The failure to deal with the problem will likely result in what the NRC calls a “white” finding, which could mean additional inspections for the plant, according to Sheehan. Entergy, the plant’s owner, will have a chance to respond to the report before the NRC makes a final decision.

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日本、福島事故から4年で「原発稼働増やす」via 中央日報

(抜粋)

宮沢洋一・経済産業相は26日、2030年まで原発の比重を20~22%に増やすことにし たと明らかにした。宮沢経産相は電力生産にともなうコスト問題に言及して「太陽光など再生エネルギーを増やす政策は、コストの高い上昇圧力になる」として 「発展コストが最も安い原発を増やしてこそ企業と家庭の負担も減らせる」と話した。福島原発事故後、日本国内の原発50基は段階的に稼働がすべて中断さ れ、現在は「原発ゼロ」状態だ。

経済産業省がこの日発表した「長期エネルギー需給展望小委員会」の報告書によれば、2030年までの太陽光利用率は7.0%、風力は 1.7%にとどまった。再生エネルギー全体比率も22~24%に過ぎない。高村ゆかり名古屋大学大学院教授ら委員3人は「原発の比率を下げる面でも再生エ ネルギー導入も充分ではない」として反発したが、受け入れられなかった。安倍晋三首相は昨年4月にエネルギー基本計画を発表した際に「原発比率をできるだ け減らす」と明らかにしていた。日本政府は2012年に民主党政権が設備の老朽化による事故の危険性を減らすために原発運営期間を「原則40年」と定めた 規則も、弾力的に適用する計画だ。原則を厳格に適用すれば、原発比率20%以上の達成が難しいためだ。

米国に続き世界で2番目に原発強国のフランスは原発依存度を減らすことにした。代わりに親環境エネルギーを増やすことにした。フランス下院は26日(現地時間)、こうした内容の「グリーン成長のためのエネルギー転換法案」を賛成308票、反対217票で通過させた。

現在、電力生産の75%を占める原発の割合を今後10年後の2025年までに50%に下げるという内容だ。代わりに現在17%水準である再生エネルギー比率を2030年までに40%まで高めることにした。

実は昨年末にも類似の法案が下院を通過した。当時は原発依存率を50%に減らす基準だけがあった。だが上院で50%という目標値を削 除する代わりに、再生可能エネルギーの割合は2030年までに40%まで高める規定を新設した。今回の法案は追加議論を経て、今夏のうちに上院も通過する ものと思われる。フランスは19の原発、58基の原子炉を運用している。

これに先立ち2011年の福島原発事故後、ドイツは脱原発宣言を行った。メルケル首相は今年3月の日本歴訪中に「技術水準が高い日本 でも予測できない事故が起こりうることを知ったため」と説明した。引き続き脱原発と再生可能エネルギーの重要性を強調した後「日本と共にこの道を進むべき だと信じている」と語った

全文は日本、福島事故から4年で「原発稼働増やす」

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連載第1回 これから起きる“内部被ばく”の真実を覆う、放射能の「安心神話」 放射能の光と影、政府のデタラメな対応で健康被害の問題は置き去りに via Health Press

(抜粋)

「安全神話」「安心神話」へのすり替え

私は、地方のがんセンターの臨床医として、40年間、放射線を用いたがん治療に従事してきましたが、その業務は放射線の有効利用を追求してきたものです。

(略)

21世紀に入ってからの放射線治療の照射技術の進歩は著しく、放射線の医学利用という「表」の世界は加速度的に進化しています。しかし一方で、放射 線による健康被害という「影」の世界は、広島・長崎の原爆投下によるデータを基にした「疑似科学」によって支配され、研究の進歩が止まっています。放射性 核生成物による不都合な健康被害に関しては研究もせず、また研究もさせない姿勢で推移しているのです。

福島原発事故後の対応もこうしたレールに乗って進められています。破綻した原発の「安全神話」は、100ミリシーベルト以下の被ばくならば過剰発がんは 心配ないとする「安心神話」にすり替えられ、汚染地域への帰還を促しています。また、原発再稼働の審査においても「安全基準」から「規制基準」へと言葉を 変えて再稼働を進めようとしています。

さらに、原発輸出にも積極的で、日本でも処理の目途が立っていないにもかかわらず、売り込んだ原発の放射線廃棄物は日本が全部引き受けるとか、原 発稼働の費用も税金から融資し、原発事故が起きたら日本の税金で補償するという密約を交わして、世界中に放射線物質を撒き散らそうとしています。

「法治国家」ならぬ「放痴国家」の現状

しかし、一般国民も深刻な原発事故による日本の危機に無頓着で、マスコミ報道の鎮静化とともに関心は風化してきました。そして日本という国は、放 射線量が年間20ミリシーベルトの地域にまで国民を住まわせるために、退避していた人々を帰還させようとする、「法治国家」ならぬ「放痴国家」となってい ます。

原発稼働にともなう緊急時の被ばく医療対策は、東海村JCO臨界事故の教訓を踏まえて、2000年6月に「原子力災害対策特別措置法」が施行され、事故時の初期対応の迅速化、国と都道府県および市町村の連携確保等、防災対策の強化・充実が図られてきたはずでした。

しかし、現実の対応は犯罪的ともいえるほど杜撰でデタラメなもので、さらに情報の隠蔽も行われました。そして健康被害の問題は置き去りにされ、地域経済の復興だけが目指され、帰還が促されているのです。

全文は連載第1回 これから起きる“内部被ばく”の真実を覆う、放射能の「安心神話」

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EDITORIAL: Radioactive waste disposal a challenge without end? via The Asahi Shimbun

The government has changed its basic policy on the disposal of radioactive waste produced during the processing of spent nuclear fuel from nuclear power plants.

This was an invitation-based approach whereby it waited for local governments to volunteer to host a final disposal site for nuclear waste. That policy was pursued for seven years.

Now the government will switch to taking the initiative in selecting candidate sites.

A law that took effect in 2000 created the current program to build a facility to deal with high-level radioactive waste from nuclear power plants. But no local government has offered to host a disposal site except for Toyo, a town in Kochi Prefecture, which later withdrew its application due to fierce opposition from residents.

Japan’s nuclear power generation system, which lacks a plan for final disposal of its radioactive by-products, has been lampooned as a “condominium without a toilet.” Clearly, the government needs to play the leading role in determining a final disposal site.

[…]

The only way to prevent an increase in nuclear waste is to initiate a policy of phasing out nuclear power generation. Otherwise, the program will require an expansion of waste disposal facilities.

Another problem with the government’s plan is that it is based on the assumption that the nuclear fuel recycling program, which is effectively bankrupt, will be kept alive.

The government claims the program will help reduce the volume of nuclear waste. Even if it can reprocess spent uranium fuel, however, the program will face the formidable challenge of how to reprocess and dispose of mixed oxide fuel, or MOX fuel, made from reprocessed plutonium blended with uranium.

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巨大噴火未満の対応、不十分=川内原発、火山学者が指摘 via 時事ドットコム

再稼働の前提となる審査を終えた九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)について、火山噴火予知連絡会の石原和弘副会長(京都大名誉教授)は27日、千葉 市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で講演し、「敷地に火砕流が到達しない場合でも原発の作業を継続できるのか」と述べ、超巨大噴火(破局的噴火)未満 の噴火への対応の検討が不十分だと指摘した。

(略)

しかし、鹿児島市内を中心に大規模な被害が想定され、多くの住 民が避難して都市機能が停止する可能性を指摘し、「行政や交通、ライフラインが止まる中で、敷地に到達しないからといって、原発の所員はとどまれるのか」 と疑問を呈した。

全文は巨大噴火未満の対応、不十分=川内原発、火山学者が指摘

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東電ら不起訴に不服申し立て――原発事故の罪を問う via BLOGOS

「たった2カ月半できちんとした捜査がなされたとは思えません。新たな証拠が次々と出てきているにもかかわらず、そこに言及しない捜査のありかたは問題だと思います。それだけに、検察審査会という市民の良識に期待したい」

福島原発告訴団(以下、告訴団)団長の武藤類子さんはそう訴える。

4月30日、告訴団は、「2015年告訴」の不起訴処分について、東京検察審査会に不服申し立てを行なった。「2015年告訴」は、今年1月13 日、東京電力福島第一原発の事故により被害を受けた住民らが、責任者たちの刑事裁判を求めたもの。勝俣恒久東電会長(当時)をはじめ事故当時の東電幹部、 国の関係者など33人を告訴した「2012年告訴」に続き、東電の津波対策担当者、旧保安院関係者ら9人を告訴・告発していた。

しかし、東京地検は4月3日、全員を不起訴処分とした。今回の申し立ては、十分な捜査を尽くさず、不起訴理由にも事実誤認があるなどとして、5人について処分を不服として行なわれたもの。

(略)

なお、「2012年告訴」は、検察審査会が勝俣東電元会長ら3人を「起訴相当」としたにもかかわらず、東京地検は今年1月22日、これを不起訴処分とした ため、現在、東京第五検察審査会で、再度の審査が行なわれている。二度目の「起訴相当」が出れば、「強制起訴」となるため、武藤団長は、こちらの告訴につ いても、「3人の東電幹部が強制起訴になると強く信じています」と期待する。

全文は東電ら不起訴に不服申し立て――原発事故の罪を問う

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2030年の原発依存度と政府の思惑 via 朝日新聞

■橘川武郎 東京理科大学大学院イノベーション研究科教授

東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年10カ月経った2015年1月30日、総合資源エネルギー調査会基 本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会が設置され、2030年のわが国における「電源ミックス」および一次エネルギー供給の「エネルギーミック ス」をどう見通すかについての審議が、ようやく本格的にスタートした。あまりに遅いスタートではあるが、始めないよりは始めた方が良い。筆者も、同小委員 会の一委員であるが、実りある議論が進められることを期待したい。

(略)

原発再稼働をめぐる現在の世論は、一見すると、矛盾している。

原発のあり方について、中長期的な見通しをたずねると、世論調査で多数を占めるのは「将来ゼロ」であり、「即時ゼロ」や「ずっと使い続ける」は少数派である。「将来ゼロ」とは、「当面はある程度原発を使う」ことを意味する。

一方、より短期的な見通しにかかわる原発の再稼働の賛否についてたずねると、世論調査で多数を占めるのは「反対」であり、「賛成」ではない。「再稼働反対」とは、事実上、「原発即時ゼロ」につながる意味合いをもつ。

つまり、原発をめぐる世論は、中長期的見通しと短期的見通しとでは矛盾した結果を示すという、不思議な現象がみられるわけである。この現象について、どのように理解すれば良いのだろうか。

筆者の理解によれば、世論の真意は、どちらかと言えば「当面はある程度原発を使うことはやむをえない」という点にある。しかし、安倍内閣が進める原発再稼働のやり方には納得できない。新しいエネルギー基本計画で 電源ミックスを明示することを避けた点に端的な形で示されるように、論点をあいまいにし、決定を先送りして、こそこそと再稼働だけを進める。このような政 府のやり方に対して、「当面はある程度原発を使うことはやむをえない」と考えている国民の多くも反発を強めており、再稼働の賛否のみを問われると、「反 対」と答えているのである。

(略)

原発の再稼働は、(1)の新しい規制基準をクリアすることが大前提となる。そうであるとすれば、新規制基準でフィルター付きベントの事前設置が義務づけられた沸騰水型原子炉(24基)の再稼働は、どんなに早くても2016年以降でなければありえない。2015年中の再稼働がありえるのは、新基準でフィルター付きベントの設置に猶予期間が設けられた加圧水型原子炉(24基)に限定されることになる。

ここで注目すべき点は、新基準が設定されて以降、加圧水型24基にはフィルター付きベント設置以前にも再稼働するチャンスがあるにもかかわらず、これまで実際に再稼働の申請を行った加圧水型炉は15基にとどまること、逆に言えば、残りの9基はいまだに申請していないことである。

新基準をクリアするためには、フィルター付きベントの設置だけでなく、膨大な金額の設備投資が必要とされる。一方、(2)の「40年廃炉基準」が厳格に運用された場合には、多額の追加投資をした原発が、新基準をクリアしいったん再稼働したとしても、すぐに運転を止めなければならなくなるかもしれない。12基の加圧水型原子炉が2015年2月時点で再稼働申請をしていない事実は、電力会社がこれらの事情をふまえて取捨選択を始めており、「古い原発」の再稼働を断念し始めていることを示唆している。今後、ある程度の原発が再稼働することになるであろう。しかし、それは、既存原発43基すべてが「元に戻る」再稼働では決してなく、沸騰水型原子炉も含めて30基程度の原発しか再稼働を申請しない「減り始める」再稼働であることを、きちんと見抜いておかなければならない。

一部のメディアにおいて、2015年は、「原発再稼働元年」と呼ばれている。しかし、今年再稼働する原発は、九州電力・川内1、2号機の2基(加圧水型原子炉)だけにとどまるのではなかろうか。その一方で、5基の廃炉が決定した。これからは、いったん再稼働した原発が廃炉となるケースも出てくる。今後の方向性を見据えれば、2015年は、「再稼働元年」と呼ぶよりは、「廃炉元年」と言った方が正確だろう。

■2030年の原発依存度は?

表1からわかるように、「40年廃炉基準」を厳格に運用した場合には、2030年末の時点で、現存する43基のうち30基の原子力発電設備が廃炉となる(表1には、廃炉が決まった5基も掲載してある)。残るのは、18基1891万3000kWだけである。この18基に建設工事が進む島根原発3号機(中国電力)と大間原発電源開発株式会社)が加わったとしても、2030年の原子力依存度は、2010年実績の26%から4割以上減退して、15%程度にとどまることになる。

(略)

■再生エネルギー普及のために必要なこと

実現である。再生可能エネルギーには、(A)稼働率が高く出力変動も小さい水力・地熱・バイオマスと、 (B)稼働率が低く出力変動が大きい太陽光・風力との、2つのタイプがある。2013年度の電源ミックスに占める比率は(A)が水力を中心に9%、(B) が2%程度である。送変電ネットワークへの負担が少ないのは(A)のタイプであるが、水力には開発可能地点の減少、地熱には自然公園法等の規制と温泉業者の反対、バイオマスには物流コストの大きさなどのボトルネックがあり、伸びシロはそれほど大きくない。2030年の電源ミックスにおいて(A)タイプの再生可能エネルギーが占める比率は、多くとも15%程度にとどまるであろう。

そうなると、2030年に再生可能エネルギー30%を実現するためには、稼働率が低く出力変動が大きい(B)タイプの太陽光発電風力発電の合計比率を15%以上に高めなければならないことになる。たしかに、技術革新の進展によって、太陽光発電風力発電のコストは目に見えて低下している。しかし、2014年に電力各社がFIT(固定価格買い取り制度)で急増したメガソーラー発電のネットワークへの受け入れを保留したことで明らかになったように、(B)タイプの再生可能エネルギー発電の普及には、暗雲が立ち込め始めている。

全文は2030年の原発依存度と政府の思惑

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