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(茨城県)知事選がにわかに注目を集めているのは、内閣改造後最初の大型地方選であるとともに、7せんを目指す現職候補が日本原子力発電東海第2原発の再稼働につして「無条件で認めない」と踏み込んだ発言をしたからだ。
2011年の福島第1原発事故では茨城にも大量の放射性物質が降り、地元では不安が根強い。現職候補はこれまで、実効性のある広域避難計画の策定などを条件に挙げながらも、再稼働自体は否定していなかった。
方針転換の背景には自身への多選批判をかわす狙いと、再稼働を「全くの白紙」とする自公推薦の新人候補との対立軸にしたい考えがあるのではないか。そういう見方が一部にある。
共産推薦の新人候補は廃炉を唱える。政府・与党のみならず電力各社までもが知事選に強い関心を寄せるのは、原発再稼働などを巡って、立地県トップの意向を無視できないからだ。中国地方でも島根原発の再稼働や、山口・上関原発の新設計画において言えることである。
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首をかしげざるを得ないのは鹿児島県の三反園訓(みたぞの・さとし)知事だ。昨年7月の知事選は立候補を取り下げた反原発団体代表と政策協定を結び、脱原発の統一候補として川内(せんだい)原発の一時停止を求めると訴えた。ところが、九州電力に拒まれると「私に原発を止める権限はない」とし、就任7カ月で運転容認に傾いた。鹿児島県民ならずとも驚かされた。
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言うまでもなく率先垂範すべきは政府や各政党だろう。安倍政権は原発依存低減を掲げるが、3年前にまとめたエネルギー基本計画を見れば原発回帰は明らかだ。2030年代の原発ゼロを訴える民進党も党内の路線対立を抱え、本気どを疑う声がある。曖昧な公約や方便は許されない。原発をどうするのか。イエスかノーか分かりやすく、ぶれない訴えが聞きたい。
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