福島原発、作業環境改善進む 構内に食堂、コンビニ via 毎日新聞

メルトダウンした東京電力福島第1原発構内を先月27日、取材した。1~3号機に残る溶融燃料の取り出しや、放射性汚染水の処理といった課題を抱える中、作業環境の改善は進んでいる。

 「食堂ができるまで構内で温かい食事をしたことがなかった。今では構内唯一の楽しみです」。構内にある「大型休憩所」の食堂で、同僚と昼食をとっていた50代男性が語った。

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休憩所は2015年5月に完成。作業員にとっては構内で唯一の「憩いの場」だ。食堂は、地元企業などが出資した「福島復興給食センター」(福島県大熊町)が運営。福島産の食材を使ったメニューは2種類の日替わり定食と麺、丼、カレーの計5種類(いずれも380円)で、1日最大3000食分を調理して食堂に届けている。

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 がれき撤去などが進み、全面マスクなどが不要なエリアは拡大したものの、炎天下での作業には熱中症の危険が伴う。東電は協力企業に対し、午後2~5時は作業を控えるように求めている。

 作業環境改善の一方、廃炉達成(41~51年目標)の道のりは果てしなく遠い。先月21日には、3号機の原子炉格納容器内で溶け落ちた燃料とみられる塊が見つかったものの、取り出しのめどは立っていない。

 汚染水対策も道半ばだ。構内には貯蔵タンクが林立している。汚染水浄化後に残る「トリチウム水」の処理が課題になっているが、東電の川村隆会長が、海洋放出について「(東電として)判断はもうしている」などと述べたと報道され(東電は否定)、地元漁協が抗議する事態となった。

 現場では1日約5600人が作業し、そのうち半数は汚染水対策に当たる。男性作業員は「事故を起こさず、一歩ずつ着実に前進することが信頼回復への近道ではないか」と話す。【鈴木理之】

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