昨年四月の電力小売り全面自由化で参入した主な電力会社(新電力)四十四社のうち六割超に当たる二十九社が、東京電力福島第一原発事故の賠償費の一部を新電力も負担する政府方針に「経営に影響」「自由化の芽を摘む」などと懸念や反発を示していることが、共同通信社のアンケートで分かった。顧客獲得の達成状況は七割が目標通りかそれ以上と回答。自由化の滑り出しは比較的順調だが、制度上の問題点も浮き彫りになった。
経済産業省が昨年末、賠償費の一部負担を新電力にも求める方針を決めたことに、十三社が経営や営業活動に「悪影響となる」、十六社が「何らかの影響がある」と答え、合わせると六割を超えた。「影響なし」は一社だけだった。影響があるとした理由を尋ねると、最終的に電気料金に上乗せされるため「自由化の芽を摘むことになる」、「国民への説明が足りない」と政府への批判が目立った。
新電力の利用者も契約の切り替え前は原発による電気を使っていたとして、賠償費の負担を求める経産省の説明に対し、十八社が「負担はおかしい」と答えた。
顧客獲得は「目標値を大幅に超えた」が七社、「やや上回った」が四社。「目標通り」は十九社で、合わせると三十社に上った。「やや下回った」は八社、「大幅に下回った」は三社だった。
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