東京電力福島第1原発で放射能汚染水を保管するタンクについて、「2016年度早期」に漏れにくい溶接型に全て切り替えるとした政府と東電の目標が達成困難になっている。事故から5年が過ぎても、汚染水対策が順調に進まない実態が改めて浮かび上がった。
汚染水の保管タンクには、鋼板をボルトで留めた簡易型と溶接型がある。早く造れる簡易型は事故直後から使われてきたが、13年に汚染水漏れが発覚。東電は溶接型への切り替えを進めているが、作業は遅れている。
第1原発でタンクに保管されている汚染水は大きく分けて2種類。トリチウム以外の放射性物質の濃度を下げる装置「ALPS」(アルプス)で処理した水と、 ALPS未処理の水だ。処理済みは5月26日時点で約64万4000トンに上り、多くは溶接型に保管されるが、簡易型も使われている。未処理は約18万 1000トンで、処理済みに比べ、簡易型が占める割合が多い。
東電は4月25日に開かれた原子力規制委員会の検討会で、汚染水の増加抑制を目指す「凍土遮水壁」が期待通り効果を発揮した場合でも、未処理分は17年2月ごろまで簡易型で保管するとの見通しを示した。
続きはタンク切り替え、達成困難=溶接型「16年度早期」-汚染水保管・福島第1
当サイト既出関連記事: