リニア新幹線のルート上で高放射線値を計測! 大量のウラン残土をJR東海は「前提にしていません」via 週プレNews

2027年に品川―名古屋間での開業を目指して着工されたリニア中央新幹線。 

その地下走行ルート上にある岐阜県東濃(とうのう)地区には、実は日本屈指のウラン(放射性物質)鉱床が存在。もしリニアのトンネ ル工事が大きなウラン鉱床にぶつかってしまったら、当然、大量のウラン残土が出て、そこから肺がんを引き起こすラドンガスが放出されることになる。 

だが、これまでJR東海は現地のボーリング調査をほとんど行なっていないことを前編記事で伝えた(参照「リニア新幹線のルート上に潜む日本屈指のウラン鉱床…放射能拡散の恐れにJR東海は対策逃れ?」)

そうした事態を懸念する市民団体が今年2月と3月、ルート上の放射線値を測定したところ、驚くべき数字がーー。

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そこで今回も、井上さん含めた総勢13人は、まず245km地点に向かった。

「放射線は、最低10分間は測るべき」

そう語る井上さんがアメリカ製の測定器「Inspector」を地面にかざすと、時間の経過とともに測定値は上下しながら上昇。やがて最高値0.341マイクロシーベルトを計測した。

原子力規制委員会のホームページ「放射線モニタリング情報」によれば、福島第一原発事故の影響を受けている地域を除き、日本の多くの地域の空間線量 は毎時0.05マイクロシーベルト以下。「ウラン鉱床のある東濃地区ではもともと放射線量が高く、通常時でも毎時0.1マイクロシーベルト前後ある」(井 上さん)というが、それでも245㎞地点は、日本各地での7倍以上、東濃地区に限っても3倍半も高い

その後、245km地点以外でも計測を行なったが、東濃地区最大のウラン鉱床「月吉鉱床」周辺の4ヵ所はいずれも0.3マイクロシーベルト以下。つまり、実際にウランを掘り起こした鉱床上よりもリニアルート上のほうが高い数値を示していた。

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公聴会を挟む13年10月から14年3月まで、岐阜県では県の常設機関「環境影響評価審査会」がJR東海の職員同席のもと、リニア計画についての審査を実施。JR東海に対して厳しい見解を示している。公開されている記録から、いくつかの委員の発言を紹介しよう。

「もし掘って(ウラン残土が)出てきたらどうするのでしょう。結構大変なことになる。出てきた際の対応が十分検討される必要があると思います。準備書では具体的対策について検討されていない」

「ウラン残土が大量に出てしまったら、たぶんどこも土壌を受け入れるところがなくなると思います」

「ウラン鉱床に当たらないという考え方は少し危ない。後々、大きな問題を起こす」

記録上は委員の名前が伏せられていたが、いずれも相当な懸念を持っていることがうかがえる。

ところが、JR東海はこれらの意見に対して、やはりこう返している。

ウランについては出ることを前提にしていません」(14年1月30日)

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結局、JR東海は「ボーリング調査をする」と回答するに至ったが、その区間はリニアルート上の「ウラン鉱床の地質に似ている」とされる3kmの区間に限られていた。今回、高い放射線値が出た245km地点は含まれていない。そして、これまでのところ実施したボーリング調査は1本だけだという。

ちなみに、今回の放射線調査は「一度だけの計測では信頼度が低い」(前出・川本さん)との理由から、複数の参加者が3月18日、再度計測を行なっている。結果は、245㎞地点で2月の調査時とほぼ変わらない0.335マイクロシーベルトだった。

全文はリニア新幹線のルート上で高放射線値を計測! 大量のウラン残土をJR東海は「前提にしていません」

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