川内原発 インタビュー 新潟大名誉教授(地質学)立石雅昭さん 安全性、我々自身で判断を /鹿児島via 毎日新聞

−−原発の基準地震動(※1)策定の問題点は

 立石さん 新耐震指針による再評価などにより、各地の原発で断層が少しずつ長くなり基準地震動が引き上げられた。さらに原子力規制委員会の審査で引き上げられる。そうすると、基準地震動というのは一体何なのかという根本的な疑念が出てくる。

 それに、基準地震動を引き上げても、元の設計で持つという結果が出てくる。ものすごく不安。引き上げて、それだけの耐震補強を行うとなればまだいい。原子炉や格納容器を補強することが難しいことは知っているが、電力会社の行う耐震補強は不十分で、コストがかかってくるから最初の設計の範囲でおさめてしまうという疑いのあるやり方が各地で横行している。これでは不安はぬぐえない。
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 −−東京電力柏崎刈羽原発の安全性を検討する新潟県の技術委員会(※2)の委員をしているが

 立石さん 今は東京電力福島第1原発事故の検証を進めているが、県技術委員会の議論は規制委の審議よりはるかに深いと思う。新潟にとっては中越沖地震(※3)による被災、それに続く福島事故によるショックが大きかったこともある。

 −−鹿児島県は原発の安全性を審議する専門家組織がない。県議会の原子力安全対策等特別委員会もなくなった

 立石さん それはちょっと驚き。それでは、国がOKしたら、ソフト面を含んだ科学的問題点を国や電力事業者に対して指摘し、その解明や対策を求めるということが十分に科学的根拠を持って言えないのではないか。原発という事故を起こせば取り返しのつかない巨大構造物の安全性について国に任せておけばいい、国の判断でいいということにはならないと思う。県で改めて議論する場は必要。

 それに、県の段階で議論することは、何が問題になっているか県民にとっても見えやすいと思う。地元メディアも取り上げやすい。第三者の専門家が審議することにより、緊張関係が生まれる。県は原発の安全を監視するため、国や電力会社に対してきちんとした緊張関係を持つべきだ。
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