福島原発廃炉 適切な放射線管理が不可欠だ via Yomiuri online

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉には約40年を要する。必要な人員を確保するためには、作業員の健康管理を徹底することが大切だ。

 東電が、安全対策の強化に乗り出した。作業員を派遣している協力会社と協議組織を作り、現場の巡回や点検の回数を増やした。作業員への安全教育も拡充した。政府が8月下旬に設けた安全ガイドラインに沿った内容だ。

 福島第一原発では、1日平均で約7000人が働いている。土木作業などに伴う事故は少なくない。東電は作業環境の向上に万全を期してもらいたい。

 特に重要なのは、作業員の放射線被曝(ひばく)を減らすことだ。

 敷地内の除染が進み、ほとんどの場所では、使い捨ての防塵(ぼうじん)マスクだけで作業が可能になった。

 だが、建屋付近には、深刻な汚染が残る。そこでの作業については、事前に被曝線量を試算し、被曝低減策を講じてから着手する手順が新たに設けられた。

 現場では、鉛の板で測定器を遮蔽し、被曝線量を少なく見せかける不正が起きた。対策として、測定器を入れる作業着のポケットを透明にして、外からチェックできるようにした。

 作業員の安全確保には、被曝線量の厳格な管理が欠かせない。

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