原発事故集団訴訟 「ふるさとを返して」via 東京新聞

東京電力福島第一原発事故で被災し、福島県から県内などに避難する人たちが、国と東電を相手に損害賠償を求め ている集団訴訟で、原告の本人尋問が十六日、千葉地裁(広谷章雄裁判長)であった。原告の十八世帯のうち七世帯が法廷に立ち、「私たちのふるさとを返し て」と強く訴えた。同様の訴訟で本人尋問は全国初。 (柚木まり)

 生まれ育った福島県浪江町から習志野市へ家族で避難する男性会社員(41)は、「仲間や当たり前の生活すべてを奪われてしまった」と語った。自宅周辺は除染が進まず、放射線量を計る警報器の音が鳴りやまなかった。二人の中学生の子どもを連れて帰れる場所では無かった。

 父から継いだ会社経営者から、今は一社員として働く。千葉で新居も購入し、家族四人で暮らす。「ふるさとを思う気持ちは、避難生活が長くなるほど強くなる。明るい未来への希望を取り戻してほしい」

(略)

家族の人生設計が大きく乱された女性は「国や東電は、矢吹町の土壌を汚染しながら体に被害がないと一方的な判断をした。避難でとても苦しい思いをしたこと、受け止めてほしい」と述べた。次回の本人尋問は三十日に予定されている。

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