そんな折、九電は5日、日本雑誌協会加盟社を対象に川内原発の視察会を開催。日刊ゲンダイ本誌記者も参加し、免震重要棟の予定地、津波や竜巻対策を施したエリアなど10カ所の施設を見て回ったが、「これはダメ、あれはダメ」と取材制限だらけのピリピリムードだった。
視察会は午後1時半にスタート。まず敷地内の見学者向け展示館に案内され、30分間、視察の概要の説明を受けた。そこで案内役の九電職員がこう言った。
『敷地内での写真撮影は一切禁止とさせていただかいます」
事前に撮影OKと聞いていたため、各社の記者やカメラマンは大ブーイング。しかし、文句を言っても担当者は首をタテに振らない。スッタモンダの末、一部の撮影のみしぶしぶOKが出たのだが、肝心の「原子炉建屋」には入れさせてもらえず、建屋の外観の撮影すらNGだった。
(略)
視察中、九電職員は計3500億円を投じたという『地震、津波、竜巻』対策を何度も熱心にアピール。しかし、桜島など心配されている火山の「噴火」対策に関する説明は一切しない。記者の質問を受けてようやく、「火山灰用フィルターは既に設置されている。」160キロ圏内の活火山の直近の噴火は約3万年前。私たちは噴火の前兆を捉えることを重視している」と言ったが、噴火のことはあまり触れられたくなかったのだろう。表情はこわばっていた。
九電の広報担当者は「今回は『取材』ではなく、『視察』ということでお受けした」とNG多発を弁解したが、再稼働を目前にして、マスコミ向け”アリバイふくり”がよーくわかった視察会だった。
全文は迫る川内原発再稼働 九電が開催した”NG連発視察会”の意図