関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟の控訴審第1回口頭弁論が5日、金沢市の名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)であ り、控訴した関電側は再稼働を認めなかった1審福井地裁判決を「科学的、専門技術的知見に基づく客観的証拠に反する」として破棄するよう求めた。
(略)
1審判決は「地震の際の冷却や放射性物質の閉じ込めに欠 陥があり、原発の運転で人格権が侵害される危険がある」と認定。関電側の想定を「楽観的」と批判し、福島原発事故当時の内閣府原子力委員長が作成した「最 悪シナリオ」を基に、原発から250キロ圏内の住民への具体的な危険性を認めた。
これに対し、関電側は控訴理由書で「どのような欠陥や機序(メカニズム)で放射性物質の大量放出が生じるのか、具体的に示されていない」と批判した。
一方、住民側は「福島原発事故で明らかとなった安全神話や国の安全審査への信頼崩壊を踏まえた」と1審判決を高く評価。関電の安全対策については「耐震設計の抜本的再検討を怠ってきた」と指摘した。【中津川甫、竹内望】
当サイト既出関連記事: