海の放射能汚染調査の今昔~テレビ番組「ビキニ事件と俊鶻丸」紹介をかねてvia Coccolith Earth Watch Report

事故から2年半以上経った現在でも、福島原発からの汚染水漏れによる海洋汚染が国際的に憂慮されています。陸上の井戸水や海水の放射能汚染について東電から散発的な発表がありますが、第三者機関からの信頼するに値するデータ報告が待たれる状況です。振り返れば59年前、米国による日本のマグロ漁船が被爆した水爆実験で汚染された海域の放射能汚染を調査するため、日本は独自に調査船を派遣しました。28日(土)23:00-00:00のNHK Eテレで放送のETV特集「海の放射能に立ちむかった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸~」にご注目ください。以下は番組HPから得られた情報に若干加筆したものです。

1954年3月1日、アメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験で、日本のマグロはえ縄漁船・第五福竜丸が被ばくした。被害は水産物にも及び、日本各地の港では放射性物質に汚染されたマグロが相次いで水揚げされた。しかし、核実験を行ったアメリカは、放射性物質は海水で薄まるためすぐに無害になると主張した。
 このとき、日本独自に海の放射能汚染の実態を解明しようという一大プロジェクトが始動した。水産庁の呼びかけで、海洋、大気、放射線の分野で第一線の専門家が結集、「顧問団」と呼ばれる科学者チームが作られた。水爆実験から2か月後、顧問団が選んだ若き科学者22人を乗せた調査船・俊鶻(しゅんこつ)丸がビキニの実験場に向けて出発した。2か月に渡る調査の結果、海の放射能汚染はそう簡単には薄まらないこと、放射性物質が食物連鎖を通じてマグロの体内に蓄積されることが世界で初めて明らかになった。

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