給食に福島市産米を――。市の「食べてアピール」作戦は、当の農家にも波紋を広げた。
福島市の農家、斎藤祐作(さいとうゆうさく)(36)。小さな子が3人いる。原発事故直前に生まれた長女の輝(ひかる)(2)。去年の10月に生まれ、もうすぐ1歳になる双子の美来(みくる)と叶歩(かなう)。
市が放射能に汚染されたと知ったとき、長女は乳飲み子だった。「もうここで子育てはできない」。妻の忍(しのぶ)(36)と話し合い、県外に出て転職先を探すことに決めた。
ネットの就職サイトで申し込みを続け、ようやく面接までこぎ着けた。結果は不採用だった。
斎藤は9代目の専業農家だ。米と桃やリンゴをつくっている。東京の農業大学を卒業し、農業一筋。突然の転職は難しく、結局そのまま農業を続けるしかなかった。
子どもたちの被曝(ひばく)を防ぐため、かなり気を使った。
事故直後、ミネラル水を買ってミルクを作った。米は、貯蔵してあった2010年産米をすこしずつ、大切に使い続けた。
農作物の売り上げは激減した。
続きは(プロメテウスの罠)給食に福島米:11 親としても悩む農家
当サイト既出関連記事:(プロメテウスの罠)給食に福島米:4 ちょっと待ってよ via 朝日新聞 (5〜7)
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