祝(ほうり)の島 原発はいらない!命の海に生きる人々 [DVD]
この記録映画を、私は公平な目で見ることができない。というのは、これが上関原発の予定地の向かいの島の暮らしを描くものであるからでもなければ、今が3.11後だからでもない。舞台が山口であるからだ。
全編を通して、この作品は「島の暮らし」を描く。風の音、潮騒、船のきしみ、稲を刈る音……。印象的なのはそういった自然や生活や労働の音である。それを「原発」が切り裂く。映画の視点は、島民のうちでも原発反対の住民の生活にフォーカスされており、賛成派にその視点が肉薄することはない(し、そこが正直残念だ)が、端々から原発問題がこの島の共同体に亀裂をもたらしていることがうかがわれる。
続きは [映画] 田舎と都会と原発