素人には難しいといわれるβ線の測定にのりだした福島県いわき市のNPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」。
その中心にいるのは事務局長の鈴木薫(49)だ。
だが鈴木は、福島第一原発の事故前は「原発がどこにあるかもよく分かっていなかった」。
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その一方、産廃処分場や病院整備など地域の問題にも目を向けてきた。2006年には、地元の隔週刊の新聞「日々の新聞」に、処分場問題についてエッセーを書いたこともある。そのころ、共通の友人を通じてミサオ・レッドウルフを知る。
原発事故後、官邸前の脱原発デモに10万人以上集めた首都圏反原発連合の中心メンバーの一人だ。
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翌日、原発で爆発が起きる映像をテレビで見る。すぐカーテンを閉めて窓のサッシに目張りした。岩手大の学生だった長男(23)を除く、夫と高校2年だった長女(21)と3人で、ともかく避難。北関東を転々とした。
夫の仕事があるため4月にいわきに戻ったが、1年間、長女は学校以外は外に出さなかった。
原発はもはや遠い存在どころではなくなっていた。
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