<社説>事故機に放射性物質 米軍は現地調査を認めよ via 琉球新報

東村高江で炎上したCH53E大型輸送ヘリコプターについて、在沖米海兵隊がインジケーター(指示器)の一つに放射性物質が使われていることを認めた。さらに現地では放射性物質を既に取り除いたと説明し「健康を害すのに十分な量ではない」と回答している。つまり事故現場に放射性物質が存在していたことになり、放射能汚染の可能性が出てきた。由々しき事態だ。

 海兵隊によると、放射性物質は指示器の複数の部品で使用されていた。2004年に宜野湾市の沖縄国際大学で墜落したCH53Dヘリの機体でも、回転翼安全装置などで放射性物質のストロンチウム90が検出された。
沖国大の墜落事故の際、宜野湾市消防本部の消防隊員が消火活動したが、米軍からヘリに放射性物質を搭載している事実を知らされていなかった。このため米軍の消防隊員は消火活動直後に放射能検査を受けていたが、宜野湾市消防の隊員は受けていない。生命の安全に関する情報を提供しない極めて不誠実な対応だった。
そして今回の炎上事故でも、初期消火に当たった国頭消防本部の消防隊員に、放射性物質の有無の情報を提供していなかった。海兵隊が放射性物質の存在を認めたのは、琉球新報の質問に対する回答だ。自ら情報提供したものではない。不誠実な対応は13年たっても変わらない。
県と沖縄防衛局は放射性物質が飛散した可能性があるとして、事故機に接する土壌採取を米軍に要望している。しかし事故機から半径約100メートルに敷かれた米軍による内周規制線内への立ち入りは認められていない。
このため県と防衛局は内周規制線の外で土壌を採取している。放射能汚染の可能性を引き起こしたのは米軍だ。その当事者が現地調査を拒んでいる。こんなことが許されるのか。いくら米軍が「健康を害すのに十分な量ではない」と説明しても、額面通りに信用することなどできない。
米軍は事故現場の牧草地内に簡易ベッドやテントを設置している。しかし地主には無断で設置していた。牧草地内は車両が行き来しており、無数のタイヤ痕も残っている。あまりの傍若無人ぶりにあきれるほかない。

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