東京電力福島第1原発の汚染水対策で、建屋周囲の土壌を凍らせる「凍土遮水壁」が、運用開始から2カ月近くたっても凍らない箇所が複数あることが28日、分かった。東電は凍結の範囲を広げる計画を延期し、特殊な薬液を注入する追加工事の検討を始めた。原子力規制委員会は6月2日に検討会を開き、実効性について東電を追及する。
凍土壁は3月末、全長約1500メートルのうち、海側約690メートル全体と、山側の一部から運用開始。東電は当初、凍結の効果は1カ月半程度で表れるとしていた。しかし今月24日時点で、凍結管の周辺に設置した温度計約5800カ所のうち、0度以下になったのは約9割で、10度前後ある地点も点在している。1号機の北側や4号機の南側など、複数箇所で温度が下がらず、水の「抜け道」ができていることが判明した。
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