岐路に立つ島根原発 中国電、2号機再稼働へ準備急ぐ via 日本経済新聞

島根原子力発電所(松江市)では1号機の廃炉計画が固まった一方、2号機は再稼働に向けた取り組みが動き始めた。原子力規制委員会が東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の優先審査を見直したことで、これまで先送りされていた島根2号機の安全審査が今後本格化する見通しだ。

「今年は重要な年になる」。4月上旬、就任直後の清水希茂社長は2号機再稼働に向け決意を新たにした。3月下旬、柏崎刈羽原発の集中審査が見直されたこと に伴い、島根原発を含む他の沸騰水型軽水炉(BWR)原発の安全審査が進む見通しとなった。各電力会社は3月末に審査の準備状況をまとめ規制委に説明。4 月21日には審査の論点や各項目ごとの審査予定時期といったスケジュールを設定した。

審査の一つの焦点となるのが原発の耐震設計の目安と なる「基準地震動」の決定だ。1月末の審査会合で規制委は島根原発の周辺にある宍道(しんじ)断層の長さを、従来の22キロメートルから25キロメートル に延長することを認めた。断層の長さは揺れの大きさを示す基準地震動の想定に大きく影響する。中国電は2月のヒアリング調査で、規制委に従来の600ガル から800ガルに見直す方針を説明した。

今月13日の規制委の会合で、2号機の基準地震動決定に向けた議論が始まった。中国電は今後、規 制委から指摘された点については速やかに回答し、早期の決定を目指す。規制委は基準地震動が決まれば合格証である「審査書案」作成などの手続きに進む。再 稼働に向けた審査は一つの山を越えることになる。

原発再稼働は中国電にとって重要な経営課題だ。2016年3月期は再稼働せずに2期連続 で最終黒字を確保したが、石炭や原油といった燃料費の減少効果が1200億円超と大きく寄与した。足元では原油価格に底入れの兆しも出てきている。清水社 長は「燃料価格など外部要因に大きく左右される。効率化などを進め、何とか黒字を確保している状況だ」と話し、再稼働の必要性を強調する。

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