「STOP伊方再稼働!全国集会 in 松山」で発言した日本基督教団三瓶(みかめ)教会(愛媛県西予市)会員の斉間淳子さん(「原発から子どもを守る女の会」代表)も1日、本紙に対し、「原発反対は教会のタブーになっている」と語った。
伊方原発から約10キロ離れた八幡浜市に住む斉間さんは、「牧師先生たちは原発に反対だけど、信者さんの中にはやっぱり四電(四国電力)に関わりの ある人がたくさんいるし、うちの兄なんかも四電に(働きに)行きおったしね。でも、クリスチャンだったんですよ。教会は、地域としては一つにはなれんの よ。そやから、あんまり『原発反対、原発反対』いうことを声高に教会の中で言いにくい。私を見たら、『原発に反対してるんよね』って言ってはくれるけど ね。それまでや」と話した。
1943年生まれの斉間さんは今年4月、伊方原発運転差し止め請求訴訟の意見陳述書で、40年に及ぶ伊方原発周辺の住民たちの闘いや自身の関わりを振り返りつつ、「四国電力は再稼働の申請を取り下げるべきです。また松山地裁におきましては、いっこくも早く伊方原発の運転差し止めの判決を出してくださいますようお願いいたします」などと述べている。
斉間さんはまた、『原発とキリスト教』 (新教出版社、2011年)で、「伊方原発の地元で神を呼び求める」という文章を書いている。それよると、『原発の来た町―原発はこうして建てられた 伊 方原発の30年』(南海日日新聞社、2002年)を著した夫の満さんは、2006年に天に召される2年前に三瓶教会で洗礼を受けたという。
続きは“原発反対は教会のタブーになっている” 「原発から子どもを守る女の会」代表・斉間淳子さん
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伊方原発運転差し止め請求訴訟について、「ぜひ勝訴したい」と言う須藤牧師は、原発問題に対する運動について、「継続してやっていくことがとても大事。福島を忘れちゃいかん」と強調する。
「伊方原発の地元の町で行われた再稼動に関する住民はがきアンケートの結果は、『賛成27%、反対51%、どちらともいえない22%』なのです。こ の22%の人たちの心配は『仕事がなくなるのでは』ということなのです。ですから原発反対と共に、稼働停止の後はどのようになるのか、廃炉作業が完全に終 わるまでの原発の固定資産税、今までの交付金などを含めて『稼働停止後の伊方町と佐田岬の青写真』を具体的に提示するにはどうするか。このことを提示する ことのない『伊方原発運転差止』では、22%の人々の不安は解消されない。原発反対運動の中でこのことを具体的に立案するにはどうすればいいのかが今の大 きな悩み、祈りの課題です」と須藤牧師は言う。
また、「伊方原発が事故を起こせば、瀬戸内海の海の幸が壊滅的な打撃を受け、おいしいミカンは全滅、文化の香りに染む遍路道には人が途絶え、天下の名湯・道後温泉に観光客は訪れるでしょうか」と懸念する。
松山に移り住んで43年。松山は「第二の故郷」だと言う須藤牧師は、「原発の幸せは一炊の夢。本当の幸せの木(再稼動を阻止、廃炉から始まる具体的地元の経済対策)を植えなければならない。福島から学び、本当の豊かさ、幸せをもたらす施策が必要なのですよ」と言う。
須藤牧師は、2012年8月に日本基督教団松山教会で行われた「平和の集い」で、原発問題について講演している。「教会は、『主イエス・キリストの 救いを伝え、一人の人を救いに導く』、このことを絶対に忘れてはならないのです。しかし、クリスチャンは現代の預言者。牧師やクリスチャンは政治の動向、 社会の動き、社会問題と向き合うことを忘れてはならないと思います。この二つを聖書的に正しく捉えていかなければならない」と須藤牧師は語っていた。
また須藤牧師は、現在は自らの教会を挙げて原発問題に取り組んでいるわけではなく、「福島県出身・牧師須藤昭男」として取り組んでいると付け加えた。