東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷容疑で告発された東電の勝俣恒久・元会長(74)ら元幹部3人について、東京地検は22日、再び嫌疑不十分で不起訴とした。
東京第5検察審査会が昨年7月に「起訴相当」と議決したことを受け、再捜査した結果、「巨大津波の発生は予測できず、仮に対策を講じても事故は回避できなかったと判断した」としている。
これにより同審査会は2度目の審査に入り、審査員11人中8人が「起訴すべきだ」と判断すれば、元会長らは強制起訴される。ほかに不起訴となったのは、武藤栄(64)、武黒一郎(68)の元副社長2人と、議決で「不起訴不当」とされた元常務(62)。
議決は、東電が2008年3月、国の機関の評価を踏まえ、津波の高さを最大15・7メートルと試算したことを重視し、元会長らは巨大津波を予測できたとした。
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告訴団は22日、東京・霞が関で記者会見。武藤類子団長は「大変、憤りを感じている。検察審査会の良識を信じたい」と話した。
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