「自分で食べないものを」といわれて福島市のJA新ふくしま組合長、吾妻雄二(66)は考えた。
自分たちが食べるしかない。
とくに、学校給食に福島市産米を使うことだ。子どもたちが福島の米を食べれば、安全性を全国にアピールできる――。
安全性を追求しようと、吾妻は検査体制の整備を進めてきた。
(略)
JA新ふくしまの上部組織であるJA福島中央会、JA全農福島は12年夏、「風評被害払拭(ふっしょく)に向けた取り組みについて」と題した内部文書をとりまとめた。そこに盛り込んだのが、県産農畜産物を県内の学校給食に使ってもらうことだった。
学校給食を名指ししたこの方針に基づき、各農協が市町村に協力を要請した。それを受け、福島市が会津産米から福島市産米への切り替えを決定したのが12年10月。
13年1月。吾妻は福島市議会に参考人として招かれた。吾妻は「県内でここまでやっている農協はない」と強調し、こう訴えた。
「セールスに行って、『学校で使っていないでしょう』といわれるのがとてもつらい。それを行政としてやって頂ければありがたい」
全文は(プロメテウスの罠)給食に福島米:4 ちょっと待ってよ
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読むのも辛い一連の記事です。こうして福島の人々はさらに分断されていくのですね。