石丸小四郎 (双葉地方原発反対同盟)
第一原発1・2号機の排気筒3本のうち1本がその12分の1
(8.33m)の解体工事がようやく終わった。この工事では“満身創痍”
の状態であった。
この工事と背後にあるものを探ってみた。
この工事を総合すると、高さ120mをクレーンで上がり「排気筒
解体装置」で内側から9.3mを4回にわけて解体するのが計画だった。
人力でやるのには放射線量が高過ぎるため200m離れた35m盤上の
バス内から遠隔操作で行うものだった。
ところが11月27日、切断作業中に筒身上下の切断カ所に刃が
噛み込み(85%切断済み)抜けなくなってしまったというのだ。
29日以降、充電式電動工具を持った作業員3人がゴンドラ
(鉄製かご)に乗り工具を持ち搭乗設備に乗り人力で切断作業に
あたった。
記録によると「12:00~18:00」まで約6時間、暗い中で行われた。
この時季だから寒い中、強風を押して作業が行われ、約2時間半で
0.2ミリシーベルト被ばくしたとされている。
この計画、無理に無理を重ねている。こればかりではなかった!
22日、解体準備中の同日14時40分頃、遠隔操作のバスが動き出す
トラブルがあった。このバス、エンジンをかけると動き出した。
シフトはニュートラルでサイドブレーキはかかっていたが、ブレーキ
もクラッチも効かなかったという。下に落ちないようハンドルを左に
切りようやく止め16m移動したという。
この場所は35m盤の頂上。原子炉建屋がある崖下に転落しなかった
だけでも幸いだったといわねばならない。
工事が始まった8月1日からトラブルの連続だった。
第一原発で働く人達は、「遠隔操作ができなくなりゴンドラで登り
人力で作業するのは非常事態そのものだ!しかも燃料切れなど有って
はならないことだ…」と語る。[…]