福島県の郡山市が作成した浸水ハザードマップに、今回の台風19号で浸水被害が発生したエリアを重ねてみると…
浸水が想定されていなかった場所にも水が押し寄せていた。
阿武隈川の上流では白河市で373ミリ。天栄村で295.5ミリの降水量を記録。
【浸水が想定されていなかったが被害を受けた現場ではどんな事が起きていたのか?】
阿武隈川が流れる福島県郡山市の笹川地区。
「夜中の12時ちょっと前にここから溢れ始まったのです。ボコボコボコボコって。それで水門閉められたな思ったので車を待避させた」
笹川地区に住む三瓶清一さん。
台風19号が最接近し雨脚が強まった10月12日の深夜、危機感を感じて所有する車2台を自宅より高い場所に移動させた。
《三瓶さんの自宅がある場所は浸水しないと想定されていたエリア》
しかし、水かさはどんどん増していきました。
Q床下まで水がきた時点で避難しようと思いました?
三瓶清一さん「いや、思ってなかったです。前回と同じだという頭しかなかった」
これまでに2度床下浸水の被害に遭っていた三瓶さん。
過去の経験から避難ではなく自宅での待機を選択したが、今はそう判断したことを後悔している。
三瓶清一さん「あっという間に…いや~やられたなっていう思いしかなかったです」
気が付けば、自宅は床上1.2メートルまで浸水。避難もできなくなった。
三瓶清一さん「最初からそのぐらい浸水するって分かってたら避難したと思う」
《三瓶さんの隣に住む野口さん夫婦》
自宅は浸水が想定されていないエリアにあることを事前にハザードマップで確認していたが、今回は避難を選択した。
野口伸一さん「やはりちょっと…ハザードマップは信用できないと思ったんじゃないですかね。今回は危ないなと思ってね、そして逃げたんです」
息子夫婦と2人の孫と一緒に早めに避難したことで、怖い思いをしなくて済んだ。
しかし、60年以上暮らしてきた自宅は初めて床上浸水の被害を受けてしまった。
思いもしなかった浸水被害を受けたことで、野口さん夫婦はハザードマップの重要性を実感したと言う。
野口恵子さん「こっち側なんてほとんど水害に遭ったことないのに、なったわけだから、そういうところもしっかり調べてやってもらいたいなって思いますね、そういうハザードマップだったらば役に立つんじゃないですかね。心の準備できるし荷物の準備もできるし」
住宅など7323棟が浸水被害を受けた郡山市。
今、ハザードマップの改訂作業を進めている。
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