トリチウムを含む福島原発放射性廃液の海洋投棄に反対する決議 via 市民と科学者の内部被曝問題研究会有志及び内部被曝を憂慮する市民と科学者

2018年7月20日

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トリチウムを含む福島原発放射性廃液の海洋投棄に反対する決議(pdf,3ページ,191KB)

福島原発事故によるトリチウム総量は約3400兆ベクレル、2014年3月でタンク貯留水中に830兆ベクレルのトリチウムがあると発表されている。この膨大な放射性廃液はその後も増加する一方である。そのため、漁連などの反対運動の隙があれば、政府・東電はトリチウムを含む福島原発事故廃液の処理・処分として、それを希釈して海洋に投棄しようとしてきた。現在、ここに至っていよいよ政府は海洋投棄の実施に踏み切ろうとしている。原子力規制委員会の更田豊志委員長は規制するどころか海洋投棄を提唱し、先導している。
我々は以下の理由で放射性廃液を海洋に投棄することは決してすべきでないと考える。

1.トリチウムは生命・健康への危険性が少ないと誤解されているが非常に危険な放射性物質である。なぜなら、人体の大部分を占める通常の水と化学的に区別がつかず、生体のあらゆる場所に取り込まれ、内部から被曝させ、活性酸素等を介して間接的に細胞膜やミトコンドリアを破壊する。また、直接的に遺伝子、DNAの化学結合を切断する。トリチウム特有の危険性として遺伝子の水素原子とトリチウムが入れ替わるとベータ(β)崩壊でトリチウムがヘリウムに変わることによって遺伝子の化学結合が切断される。
植物は炭酸同化作用によって水と炭酸ガスからでんぷんを作る。このでんぷんの水素原子がトリチウムに変わることによって有機トリチウムが形成され、動植物や人間が体の一部としてその有機トリチウムを長期間取り込み、内部被曝する。

2.このようにして、原発から放出されたトリチウムによって玄海原発周辺の住民の白血病の増加、世界各国の再処理工場周辺の小児白血病の増加、原発周辺の小児がんの増加等が報告されている。現実に被害が発生しているのである。

3.たとえ、希釈して海洋投棄されたとしても食物連鎖などの生態系を通じて濃縮される。さらに気化してトリチウムを含む水蒸気や水素ガスなどとなって陸地に戻り、環境中を循環する可能性がある。希釈すれば安全というのは過去に多くの公害問題でくりかえされた誤りであり、環境に放出される総量こそ問題である。それ故、放射性物質や有害物質は徹底的に閉じ込め生態系から隔離することが公害問題では唯一正しい原則的な対応である。

以上のようにトリチウムは半減期が12年と長く、長期にわたって環境を破壊する。生体の大部分を、さらに遺伝子をも構成する水素の同位体であるから、希釈して投棄して安全とは言えない。それ故、トリチウムの海洋投棄を決して行わないよう政府・原子力規制委員会に強く要請する。

決議賛同者氏名 

市民と科学者の内部被曝問題研究会有志及び内部被曝を憂慮する市民と科学者
2018年8月5日現在

個人
淡川典子、青木幸雄、青柳行信、伊集院真知子、上里恵子、吾郷健二、吾郷成子、阿部 毅、
阿部健太郎、阿部めぐみ、有田武生、アントニオ弓削、池村奈津子、石岡敬三、石川隆之、石下直子、
石田紀郎、石堂太郎、伊集院真知子、稲垣 博美、稲垣 睿、印南敏夫、今田裕作、岩田深雪、
上野益徳、上野祥子、魚住公成、魚住優子、内海洋一、宇野朗子、衛藤英二、遠藤順子、
及川洋子、大倉弘之、岡田俊子、小木曽茂子、小野英喜、大沼淳一、大見哲巨、大和田幸嗣、
大湾宗則、奥森祥陽、尾崎一彦、尾崎憲正、尾崎宗璋、落合栄一郎、落合祥堯、小野寺晶、
折原利男、勝部明、川崎陽子、川添 務、河原よしみ、木次昭宏、木原和子、木村千亜紀、
許 照美、熊谷まき、黒河内繁美、黒田節子、鍬野保雄、權 龍夫、国分 天、小林立雄、
小柴信子、児玉順一、小橋かおる、後藤五月、小針修子、小東ゆかり、小林久公、小宮市郎、
小山 潔、コリン・コバヤシ、今 正則、斉藤さちこ、齊藤智子、佐藤和利、佐藤京子、佐藤大介、
澤田昭二、嶋田美子、島 安治、下澤陽子、下山久美子、庄司善哉、白井健雄 、白鳥紀一、
菅原佐喜雄、杉野恵一、鈴木則雄、鈴木紀雄、砂川正弘、髙木和美、高階喜代恵、高瀬光代、
滝本 健、田代真人、橘 優子、舘澤みゆき、田中一郎、田中 清、高木 伸、高橋精巧、
高橋武三、髙松利昌、辻 陽子、辻本 誠、哲野イサク、寺尾光身、友田シズエ、外谷悦夫、
冨田孝正、中川洋子、中沢浩二、長尾高弘、長澤民衣、中須賀徳行、永田文夫、名出真一、
中西綾子、中村由紀男、奈良本英佑、難波希美子、西尾正道、西川生子、西川隆善、西里扶甬子、
根本 勘、野村修身、萩原正子、萩原ゆきみ、橋爪亮子、橋本恵美、馬場利子、林 敬次、
原田二三子、平佐公敏、福島敦子、藤井隼人、藤井弘子、藤原寿和、 舩冨和枝、星川まり、
堀江みゆき、松井英介、松井和子、松岡由香子、松尾美絵、松沢哲成、松久 寛、三上幸子、
水鳥方義、水戸喜世子、宮口高枝、宮嵜やゆみ、宮下京子、宮永崇史、向平恵子、向平 真、
三ツ林安治、三室 勇、森下育代、森田眞理、矢ケ崎克馬、八木和美、梁取洋夫、矢野勝敏、
山口サエ子、山崎清、山崎知行、山崎正彦、山田五十鈴、山田清彦、山田耕作、山田勝暉、
山田敏正、山田 誠、山本清子、山本英彦、横山恵子、横山義弘、横山由美子、吉田明生、
吉田恵子、吉田素直、米澤鐡志、わしおとよ、渡辺悦司、渡辺典子、渡辺眞知子、

191名

団体
太田川ダム研究会、クライストチャーチの風 、さよなら原発神戸アクション、
静岡放射能汚染測定室、全国金属機械労働組合港合同アート・アド分会、脱原発はりまアクション、
脱被ばく実現ネット、京都脱原発原告団、核燃を考える住民の会、
核燃から郷土を守る上十三地方住民連絡会議、

10団体

賛同していただける方は山田 kosakuyamada@yahoo.co.jp

までメールください。

 

原文

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