日米原子力協定延長 核拡散の懸念、自覚せよ via 中国新聞

日米原子力協定が1988年の発効から30年の期限を迎え、自動的に延長された。原子力協定は日本の核燃料サイクルの前提条件であり、それが「保証」されたことを歓迎する向きもあるようだが、もはや核燃料サイクルは破綻を来している。

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プルトニウムを大量に使うはずの高速増殖原型炉もんじゅは、ほとんど稼働しないまま廃炉が決まった。原発でプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル利用もさほど進んでいない。

つまり日本の原子力政策は完全に行き詰まっている。

日本は国の内外で47トンのプルトニウムを保有する。長崎原爆に換算して、6千発分に相当する量だ。使う当てのないプルトニウムをこれほどため込んでしまったことは国際的に何を意味するのか。与野党ともに、もっと自覚すべきである。

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国の原子力委員会はきのう、青森県六ヶ所村の再処理工場(2021年度完成予定)で製造するプルトニウムを通常の原発で使用する量に限定することを柱とした、新指針を決めた。岡芳明委員長は記者会見で「絶対に超えてはいけないわけではないが、今の47トンが一つの目安だ」との見解を示した。

認識が甘すぎるのではないか。六ヶ所村の再処理工場が計画通り稼働を始めれば、新たに年間最大8トンのプルトニウムが生産される。保有量の削減のためには、再処理自体をやめるしか選択肢はないはずだ。

最初りから撤退した場合、六ヶ所村にある使用済み燃料は全て廃棄物となるため、青森県との約束に従って県外へ搬出しなければならない。行き詰まった国策である原子力政策については、国が責任を持って決着をつけるしかあるまい。

全文は日米原子力協定延長 核拡散の懸念、自覚せよ

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