【ニューヨーク=高橋里奈】米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は25日、地球最後の日までの残り時間を概念的に示す「世界終末時計」を前年から30秒進め、残り2分とした。北朝鮮の核・ミサイル開発により朝鮮半島での核戦争の危機が増したためとしている。冷戦期で核戦争の脅威が高まった1953年の残り2分と並び、過去最短となった。
残り時間を決める委員会は同日の声明で「2017年に北朝鮮の核兵器開発はめざましい発展を遂げた」と強調。「北朝鮮と米国による誇張した発言や挑発行為が核戦争を引き起こす可能性を高めた」と指摘した。挑発的な発言を控えるようトランプ米大統領に注文した。
時計の時刻は過去1年の出来事を踏まえて進めたり戻したりしている。前回発表の17年1月には気候変動問題や核兵器の不拡散に後ろ向きなトランプ氏の大統領就任で時計は30秒進み、残り2分半となっていた。