玄海町の玄海みらい学園9年(中学3年)、石川舞香(まいか)さん(15)は昨年8月、福島県であった被災地復興について話し合うリーダーズサミットに参加した。参加者は地元の中高生や、地元出身の大学生ばかり。福島に縁もゆかりもないのは、石川さんだけだった。
きっかけは一昨年12月。熊本県であった水俣病について学ぶ研修会に生徒会長として出席した時、福島県の教員からリーダーズサミットに誘われた。水俣も福島も、「そこに住んでいるだけで差別を受けた人たちがいることを知った」と話す。
福島のサミットで地元参加者から、「一緒に福島を盛り上げよう」などと書かれた寄せ書きを受け取った石川さん。「うれしかった。佐賀でも自分にできることをやりたい」。福島で風評被害に苦しんだ女性を学校に招くよう校長に頼み、講演会を開いた。「風評被害を止めるには、正しい知識を学ぶことが大事」と話す。[…]
理想を抱く若者は人類の宝。しかし、それこそ「正しい知識」が必要ではないか。水銀と放射能汚染を一緒くたに考えさえ、「実害」を認めず「風評被害」ですべてをかたづけようとする大人たちに。