清水建設・福島第一原発電所内作業所長の「不可解すぎる死」via 週刊現代

清水建設の男性職員A氏(58歳)が東京都内の社員寮の一室で死亡しているのが発見されたのは、9月8日の朝のことだ。

A氏は、東京電力福島第一原子力発電所内の工事を請け負う作業所の所長を務めていた。下請けのB社と共謀し、作業費用として約3900万円を架空請求した疑いで、社内調査を受けている真っ只中の不可解な「急死」だった――。

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「A所長が行っていたのは作業人員の水増しです。作業員の『日報』や『健康管理チェック表』に、実際には下請けのB社には存在しない複数の作業員の名前を記載し、作業に従事しているように見せかけていた。

現場でも誰ひとり知らない名前だったから、B社の作業員に確認したところ『A所長の命令でそういうことになった』と。

原発の敷地内での作業では、東京電力から線量計の貸し出しを受ける必要があります。なので、架空の作業員は『敷地外』で作業していることになっていました」

ずさんな方法に思われるが、これだけで3900万円もの金額が水増しされていた。
東京電力福島第一原発事故後の5年間で、復興のために投入された予算は実に29兆円にのぼる。

復興庁が発表した今年度の復興特別所得税の歳入予定額は約3800億円。この所得税の増税は、’37年まで、実に20年以上も継続される予定になっている。

庶民に負担を強いる巨額な「公共投資」にもかかわらず、「聖域」扱いの復興事業には国や自治体のチェック機能が働かない。従って、業者による不正が次々と発覚している。

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もともと、原発の多い福島はゼネコンと地元建設業者の談合秩序が長らく保たれてきた土地です。しかし、’00年代に談合摘発が連続して起き、ようやく競争原理が導入された矢先に震災という緊急事態が発生して、ゼネコンと地元業者の不透明な関係が再び強まっています」

実際、福島第一原発近辺での「サバき」にも、幅を利かせている業者がいるという。

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A所長のもとで働いていた清水建設のある職員が複雑な胸中を語る。

「所長は社員とも作業員とも同じ目線で会話のできる人でした。一般の人にはわからないと思いますが、どこの現場にも必要不可欠な『配慮』というものがある。

この仕事を知っている人なら誰もが、この配慮の必要性に納得するはずです。本社も認めている以上、所長が水増し請求に関与していたのは事実でしょう。でも、所長はあのカネで私腹を肥やしていたわけではない、そう信じる人は少なくありません」

全文は清水建設・福島第一原発電所内作業所長の「不可解すぎる死」

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