もんじゅ 廃炉、課題山積 どうする液体ナトリウム /福井 via 毎日新聞

昨年末に廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)について、日本原子力研究開発機構は6月13日、工程を定める廃止措置計画の前段となる基本計画を国に提出した。作業は今後本格化するが、水と激しく反応する液体ナトリウムを大量に使う高速炉の廃炉は国内に例がなく、技術的ハードルは高い。政府が基本方針で明記した使用済み燃料の県外搬出も見通しが立っておらず、政治的に不透明な部分も多い。【近藤諭】

 冷却材に使う液体ナトリウムは、もんじゅ内に1670トンもあるが、抜き取りや抜き取り後の処理の具体的な方法はまだ決まっていない。

 760トンある2次系冷却材は、放射性物質を含まないため、別施設での再利用や工業用として売却することが考えられる。

 一方、原子炉内を循環する1次系760トンと、原子炉から取り出した燃料を一時保存する炉外燃料貯蔵槽にある150トンは、放射性物質を含むため、化学処理した上で廃棄する必要がある。

 また、取り出したナトリウムを保管するタンクの容量も、1次系540トン、2次系725トンで、いずれも一度に抜き取ることはできない。原子力機構は、仮設タンクの設置なども検討している。

(略)

搬出先、見通し立たず

 順調に燃料を取り出せても、搬出先については「県外へ」との方針が示されているだけだ。茨城県東海村の再処理施設は14年に廃止が決定しており、フランスなど海外での再処理が考えられる。

 ただし、同じウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使った廃炉中の新型転換炉ふげん(敦賀市)では、03年の運転停止時にあった使用済み燃料738体のうち466体の搬出先が決まらずに残されたまま。もんじゅも約束通り県外に搬出される保証はない。

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