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<東電初公判>真実を 福島願う via 河北新報

東京電力福島第1原発事故の責任を問われ、強制起訴された東電の旧経営陣3人に対する裁判が30日、東京地裁で始まった。事故から6年余り。避難中に家族を失った遺族や古里、生活の糧を奪われた福島県内の被災者はそれぞれの思いを抱え、初公判当日を迎えた。

<ばっぱは帰ってこない>

福島県川内村の前教育長石井芳信さん(72)は原発事故で母エイさん=当時(91)=を失った。「事故さえなければ」。悔しい思いは決して薄れない。
エイさんは腰を痛め、同県大熊町の双葉病院に隣接する系列の介護施設に入所していた。事故後、患者も入所者も長時間、長距離に及ぶ避難を強いられた。
石井さんがいわき市内で対面したのは震災から約1週間後。遺体だった。どんな経路で避難し、どこで息を引き取ったのか。いまだに知らされていない。
「見舞いに行っても人のことを心配してばかり。優しくて強かった『ばっぱ』が、誰にもみとられずに逝ったことが何より心残り」
2年前に教育長を退任後、遺影を手に四国八十八カ所を巡った。今後は明るく生きようと決めた。
裁判への願いは一つ。「何が悪かったのかをはっきりさせ、二度と繰り返さないでほしい」。ただ、ニュースを見るつもりはない。「誰が責任を負っても、ばっぱは帰ってはこない」

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