関西電力が自社のホームページに掲載する子ども向けの「テスト」に、「今すぐに原子力発電をやめても、これまで通りに電気を使うことができる?」という設問があり、「○」を選ぶと不正解になることがわかった。関電管内では原発が稼働しなくても、電気の供給力に余裕がある。28日の株主総会では株主の一人から疑問の声があがった。
テストは「おとなもこどもも学べる! 教えて! かんでん」と題したページの中にあり、10問ある原発についての質問のひとつ。昨年末から掲載している(http://www.kepco.co.jp/brand/for_kids/teach/2017_01/check.html)。
株主総会では、テストの意図を問う株主からの質問に対し、幹部が「原子力の必要性について回答する」と述べ、テストの内容に対して直接的な回答をしなかった。関電広報室によると、事前に書面でも同様の質問があったという。
関電広報室は取材に対し、出題の意図は「安全確保を前提に、エネルギーの安定供給や経済性、環境保全などの面で原発の必要性を問うものだ」と回答。今後も内容を修正する予定はないという。
関電管内では2014~16年、原発が1基も動かない「原発ゼロ」の夏を乗り切っている。昨夏はピーク時でも8・7%の供給余力があった。(伊藤弘毅)