英原発 東芝余波で暗礁 「引受先」韓国電力、新政権「脱推進」via 毎日新聞

東芝の経営悪化の余波で、英国の原発建設計画が暗礁に乗り上げている。東芝が海外原発建設から撤退する方針を示し、プロジェクトの新たな引受先と見られていた韓国電力も国内事情で引き受けが難しくなったためだ。英国のエネルギー政策や雇用にも影響を与えかねず、現地からも懸念の声が出ている。【宮川裕章、岡大介】

 問題になっているのは、東芝の英国子会社「ニュージェネレーション(ニュージェン)」が中部ムーアサイドで進める建設計画。東芝の米子会社ウェスチングハウス(WH)製AP1000型原子炉3基を2024年をめどに稼働させる予定だが、WH社が3月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、東芝も海外の原発新規建設から撤退を表明した。

 東芝はニュージェン株を売却する意向だが、売却先がなかなか決まらない。韓国電力が3月、買い取りに意欲を示したが、韓国では5月の大統領選挙で脱原発依存を掲げる文在寅氏が当選。それまでの原発推進路線の後退が確実となり、ニュージェン株取得の行方も不透明になった。

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だが、英国は昨年7月のメイ政権発足後「国民生活に影響の大きいインフラ事業への外国企業の過剰な参加に安全保障上の警戒感を持っている」(英外交筋)ため、先行きは見通せない。

 事態の混迷を受け、英国の送電網運用会社「ナショナルグリッド」は5月中旬、ムーアサイド原発向けの送電線建設計画を一時休止する方針を明らかにした。英政府は、20年代にかけて旧型の火力発電所や原発を閉鎖し、新型原発に置き換える計画だが、英南西部の仏企業によるプロジェクトも費用増大で遅れている。

 

 

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