福井・高浜原発 4号機再稼働 技術者が語る、原発の問題 緊急講演会開く 大津 /滋賀 via 毎日新聞

 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)の再稼働を受けた緊急講演会が5月18日、大津市で開かれた。東芝で原子炉格納容器設計を担当した後藤政志さん(67)と、千代田化工建設などでプラントの設計・建設に携わった筒井哲郎さん(76)が技術者の立場から原発の根源的な危険性を説明。東京電力福島第1原発の事故処理の問題も指摘され、約25人の参加者が技術者と市民が連携して声を上げることの必要性を共有した。【太田裕之】

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福島処理「100年は必要」 市民と連携、声上げる

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 筒井さんは15年12月に超党派国会議員の福島第1原発視察に専門家として同行。政府の事故処理に向けた工程表「中長期ロードマップ」が「30~40年」で廃炉を完了するとしていることについて「無理を承知、できっこないと本当は思っているはずだ」と批判した。現時点では技術がなく、その時までに開発するという「判断ポイント」がいくつもあること、特に核燃料デブリの取り出しに必要なロボット開発が遅れ、取り出した場合も持って行き先がないことなどを指摘。事故のない原発でも廃炉には30年、日本原子力研究開発機構の使用済み燃料再処理工場「東海再処理施設」の廃止完了には70年かかるとされることに言及し、それらより放射線が激しい福島第1原発は「100年以上かかる」と述べた。

 一方、東電の下で働く元請けや協力会社の作業員約6000人について「かなりの数が放射線の高いところで働き、現場での作業は1日2時間くらい。前後は放射線防護や測定の手続きとか、テロ対策で身元確認のための行列とかに時間を要し、非常に非能率的」と指摘。「やっていることと言えば汚染水タンクをちょこちょこ交換しているくらいで、仕事が進んでいるとは見えない」「政府も東電も事故の残骸は再稼動の邪魔、早く片付けたいからカネに糸目をつけず人も無駄遣いしている」と述べた。

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原発事故の問題と防護対策に詳しい京都市在住のフリーライターで講演をコーディネートした守田敏也さんは「営利企業ではなく、後藤さんや筒井さんのような技術者が参加する事故処理公社を設立して対処すべきだ。私たちもこれらの問題を積極的に訴え、東電も受け入れざるをえなくなる状況を作っていく。市民と技術者、科学者が連携していければいい」と語った。主催者で近江八幡市在住の西村静恵さんは「希望をもって私たちができることをやっていきたい」と話した。

 

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