九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転差し止めを住民らが求めた仮処分申請の即時抗告審で、差し止めを認めなかった福岡高裁宮崎支部の決定に対し、原告側弁護団は8日、最高裁への特別抗告などを見送る方針を明らかにした。
弁護団は決定後、最高裁に抗告する意向を示していたが、「主張と立証に制約があり、特別抗告審などで争うことは必ずしも適切ではない」と判断した。鹿児島地裁で審理されている訴訟で、引き続き差し止めを求め争う。
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申立人の一人、森永明子さん(44)=鹿児島県薩摩川内市=は裁判所前で一報を聞き、「厳しい。裁判官は勇気を出して判断してくれると思ったけれど情けない」。悔しさを押し殺すように淡々と語った。
運転差し止め訴訟では原告団長を務める。広島県出身の被爆3世。広島で被爆した母方の祖父は約20年前にがんで亡くなり、母もがんを患った。昨年4月の鹿児島地裁に続いて退けられる結果になったが、自らを鼓舞するように言った。「私たちがどれだけ抵抗できるか、だと思う。まだまだ続けます」