原子力規制委員会がついに「もんじゅ」にレッドカード! どうして安倍政権は廃炉を決断できないのか via 現代ビジネス

総事業費1兆円、年間維持費200億円

廃炉か、再稼働か

もんじゅ、敦賀原発、美浜原発……。

いずれも、原子力規制委員会(田中俊一委員長)がレッドカードやイエローカードを突き付けており、廃炉という選択肢が現実味を帯びている原子力発電所だ。

そろって福井県に立地しているほか、それぞれの再稼働に向けて残された猶予期間が刻々と少なくなっている点でも共通している。

ところが、安倍政権は政権を奪還して以来、原発については「安全が確認された原発は再稼働する」というワンパターンのコメントを繰り返すだけで、安全が確認できない原発に関する施策には頑なに沈黙を守っている。

とはいえ、昨年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」では、原発依存度を「可能な限り低減させる」と公約しているだけに、そうした玉虫色の先送りもそろそろ限界だ。

そこで、この3原発に再稼働の大義があるか、最新状況を検証してみよう。

まず、もんじゅである。この原発は、使った分より燃料を増やせる「夢の原子炉」という触れ込みの高速増殖炉だ。田中俊一原子力規制委員会委員長が今月13日、馳浩文部科学大臣に、運営主体の交代か、廃炉を含む抜本的見直しを迫る勧告を手渡した。

勧告に至った理由は、核燃料サイクルの中核技術として50年以上前から実用化を目指して開発を始め、完成から約24年の歳月が過ぎたにもかかわら ず、トラブルが続出してほとんど運転していないことと、福島第一原発事故の発生を機に原発依存度の引き下げが課題になり、「2050年以降の商用化を目指 す」高速増殖炉の必要性が薄れたことだ。

(略)

しかし、規制委員会は、政府が原発の安全性確立のために新設した“番人”である。その委員会が「もんじゅという発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すこと」との表現で、選択肢の一つとして廃炉を示唆した事実は、非常に重い。

しかも、田中委員長は、機構の前身にあたる日本原子力研究所・副理事長を経て、日本原子力研究開発機構の特別顧問を務めた人物だ。いわばかつての身内がダメだしするほど、機構ともんじゅには問題が多いのである。

50年前はバラ色の夢だと思われた原発が、悪夢の原発と化した今、「エネルギー基本計画」で打ち出した「(原発依存度を)可能な限り低減させる」という公約を遵守するためにも、もんじゅの廃炉は避けるべきではないだろう。

一方で、もんじゅの総事業費はすでに1兆円に達し、維持費だけで年間200億円を費消している。短期間のうちに2度も消費増税を予定するなど、財政状況が逼迫している時期だけに、大変なカネ食い虫であるもんじゅに、これ以上の無駄遣いをさせるのは大きな問題だ。

次が、日本原子力発電の保有する敦賀原発2号機だ。この原発の問題点は、規制委員会の有識者会合が今年3月に、重要設備の直下に「活断層」があるとの評価をまとめていることだ。

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原電の「危ない経営」

ところが、原電はこの評価に手続きも含めて猛反発、抗議書を提出した。そのうえで、今月5日、再稼働を目指して、新規制基準の適合性審査を申請したのだ。

ここで見逃せないのは、敦賀2号機の廃炉が、企業としての原電の存続に関わりかねないことだ。原電は福島第一原発事故の前から、敦賀2号機の他に、敦賀1号機と東海第2(茨城県)の2原発を所有していた。

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地元の美浜町は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設受け入れに前向きで、関電には残された3号機の運転延長を断念して、発電所をなくすことへの抵抗が強いという。

しかし、国策として原発依存度を可能な限り引き下げることを掲げていることへの配慮や、投資の早期回収に軸足を置いた経営戦略を同社は求められているのではないだろうか。

福島第一原発事故前に、東海第一(原電)、浜岡1、2号機が廃炉に踏み切ったほか、事故後に敦賀1号機、美浜1、2号機、島根1号機(中国電力)、玄海1号機(九州電力)の廃炉が決まり、国内に現存する原発は43機に減った。

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