米海軍横須賀基地に配備されていた原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)が原子炉の急停止、急再稼働の訓練をしていたと市民団体に指摘された問題で、在日米海軍司令部は二日、本紙の取材に「訓練はなんら危険をもたらすものではない」などと文書で回答した。GWが放射性物質を含む冷却水や気体を排出しているとの指摘については、放射性物質の排出を認めた上で「人の健康や海洋生物、環境の質になんら悪影響を与えていない」としている。 (加藤寛太)
この問題は、GWの二〇一一年の航海日誌を入手、分析した横須賀市の「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」(共同代表・呉東正彦弁護士)が、「過酷な訓練で原子炉事故の危険性を増大させる」などと指摘していた。
司令部は訓練について、「高度な訓練を受けた乗組員が規定の手順を用いて実施、監視している。艦船や公共、環境の安全になんら危険をもたらすものではない」と回答した。
放射性物質の排出については「一九七三年以来、どの年においても、すべての米軍の原子力艦が一年間に放出したガンマ線を出す長寿命の放射能の合計量は、一四・八ギガベクレル以下」とした上で、「典型的な米国の商業用原子力発電所が、規制当局より一年間に放出することが認められている放射能の量よりも少ない」とした。また、気体については「放出される液体の中で分解されたガス」と説明した。
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呉東弁護士は「訓練や放射性物質の排出についての情報提供や日本側のチェックに関し、具体的なルールを日米政府間で協議することを求めたい」としている。
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