1987年に米国で公開されたキャロル・ランガー監督のドキュメンタリー映画「ラジウム・シティ」が、「文字盤と放射線・知らされなかった少女たち」という副題を付けられ、4月13日から6月中旬まで、東京、仙台、名古屋、大阪、京都、広島など、全国10カ所で上映される。
映画は、米イリノイ州オタワ市に実在した時計の文字盤に夜光塗料を塗る工場で、20世紀前半に起きた内部被曝(ひばく)問題を掘り下げる。工場解体後の放射能汚染をめぐる、80年代までの同市の現状も詳細に追う。
塗料には半減期が長いラジウムが含まれ、筆先をとがらせるため、なめながら作業した少女らが被曝した。骨の障害に苦しみ、多くはがんで死亡。生存者や住民らの証言は重く、市内に点在するホットスポットや墓に放射線測定器が反応する映像は衝撃的だ。
映画はYouTubeで見ることができるが、字幕がないため英語の壁があった。上映を主催する映画評論家の樋口泰人さんは「未来を閉ざされた少女たちの物語が私たち日本人の未来に思えて、映画を共有しなければと思った」と話す。資金が乏しいため字幕翻訳に時間がかかり、上映権交渉から公開まで3年を要したという。上映場所探しにも奔走。少人数向けの映画館からカフェまで、さまざまな場所を確保した。
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上映情報はオフィシャルサイト(http://www.radiumcity2015.com/別ウインドウで開きます)。問い合わせはboid(03・3356・4003)まで。(依田彰)
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