【ニューデリー金子淳】オバマ米大統領は25日、インドを訪れ、首都ニューデリーでモディ首相と会談した。オバマ氏は共同記者会見で原子力協力について 「打開策で合意した」と述べた。インド外務省などによると、原発事故の際に原発メーカーの責任を分散する「原子力保険プール」の設置で一致。東芝傘下の米 ウェスチングハウスと、日立製作所と米ゼネラル・エレクトリックの合弁会社によるインドでの原発建設が本格化する見通しだ。
米印は2008年に原子力協定に署名したが、事故の賠償責任を原発メーカーにも負わせるインド原子力損害賠償法(10年成立)が、米企業などの進出 の妨げになっていた。両首脳は、事故時の賠償金を複数の保険会社が引き受ける原子力保険プールを設置し、メーカーのリスク分散を図ることで合意した。日印 原子力協定の交渉加速につながる可能性もある。
一方、米国が求めていた核燃料の軍事転用防止のための追跡調査は、インド側の拒否感が強く取り下げることで合意した模様だ。モディ政権が昨年、民 生用原子炉に対する国際原子力機関(IAEA)の抜き打ち査察を可能にする追加議定書を批准したため、米国は追跡調査無しでも核拡散を防げると判断した模 様だ。
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