福島を忘れるな 首相、復興支援策に言及なく アベノミクスに冷たい視線 via 福島民報

(抜粋)

大熊町から避難した住民が暮らす会津若松市の仮設住宅。無職星野明さん(79)は、妻伴子さん(78)と衆院解散の様子を映すテレビを見詰め、2年前の安 倍晋三首相(当時・自民党総裁)の言葉を思い出した。衆院選公示日に福島の地で「福島の復興なしに日本の未来はない」と第一声を放った。復興に向けたリー ダーシップに期待したが、災害公営住宅の建設延期など復興が進んだ実感はない。
夕方の解散会見で安倍首相は国民に「(景気が低迷していた)2年 前を思い出してほしい」と訴え、アベノミクスの是非を問うため解散を宣言した。しかし、復興に向けた言葉はなかった。「安倍さんこそ2年前を思い出すべ き。この時期に金の掛かる選挙をするのは疑問」。明さんは衆院選で復興策がさらに滞るのを不安視した。

いわき市南台の仮設住宅で暮らす双葉町の無職田中イクさん(75)は「選挙をして一体、何が変わるのか。野党もドタバタしていて頼りない」と遅々として進まない復興に納得がいかない表情を見せた。

原発事故発生後、県内の漁業関係者は本操業の再開を目指し、相双、いわき両地区で試験操業を続けている。

相馬市では相馬双葉漁協松川浦支所で年明けからの小型船による試験操業の打ち合わせが行われていた。「心が折れそうになっても頑張っている本県の漁業者を 忘れてほしくない」。漁業安達利郎さん(64)は被災地の現状を訴える。「原発の廃炉作業を安全に迅速に進めてもらわなければ、福島の漁業は厳しいまま だ」と切実な思いを口にした。

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