「美味しんぼ」 議論深めるきっかけに(5月20日)via 北海道新聞

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「福島の真実」と題した本編は昨年1月に連載が始まった。県内各地に伝統的な食材や料理を訪ね歩きながら、原発事故の後遺症に悩む住民の現実に迫る内容だ。

大地や海を汚染し、食の安全と日常を奪った原発事故への憤りが全編を貫いている。

問題視されたのは、そのごく一部にすぎない。しかも一定以下の放射線による被ばくが健康被害を及ぼすのか、専門家の間で見解が分かれている。

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言論封じとも受け止められる。漫画への批判が無言の圧力となり、住民が健康不安や体の変調を口にできなくなる懸念がある。

メディアや表現に携わる人たちを萎縮させないかも気がかりだ。放射能被害や原発への問題提起がしにくい空気が醸成されつつある現状も見過ごせない。

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民主党政権時代の2012年4月、自民党は参院憲法審査会で「毎日鼻血が出る」との前双葉町長の言葉を引用し「重い発言」と健診の充実を求めた経緯がある。

政権交代で一転、正反対の立場に回るのでは、被災者を政治利用したと言わざるを得ない。

事故発生当時、政府や電力会社は放射性物質の放出や拡散などの正確な情報を住民に迅速に提供しなかった。被災者の不安や不信の原点はそこにあることも、あらためて思い起こす必要がある。

全文は  「美味しんぼ」 議論深めるきっかけに(5月20日)

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