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追悼 松井英介先生 via 雁屋哲 今日もまた

2020-09-13 松井英介先生が骨髄異形成症候群の為に8月19日逝去された。82歳だった。 心からお悔やみ申しあげます。 私が初めて松井先生とお会いしたのは2013年の4月。 私は、埼玉県に避難していた福島県双葉町長の井戸川克隆さんを訪問した。 「美味しんぼ」で私は福島第一原発事故の問題を取り組んでいた。 その中で、事故当時福島第一原発が存在する双葉町町長の井戸川さんのお話を聞くことは大事だった。 井戸川克隆さんのとなりに松井先生がおられた。 それまで私は松井先生とは一面識もなく、また、失礼ながら先生がどんな方であるかも存じ上げなかった。 (「美味しんぼ」111刊「福島の真実」篇、242ページにその時のことが記録されています) 私は井戸川町長に色々とお話しを伺ったのだが、その話しの流れの中で、松井先生が私に 「福島には何度かいらしているそうですが、体調に変わりはありませんか」 とお尋ねになった。 私は福島をあちこち歩いてまわった。当然放射能の危険性については頭の中にあり、取材中は防護服を着たし、マスクも装着していた。 それなのに、今とはなってはどうしてそんなにいい加減だったのかと自問するのだが、そんな格好をしていたのに、福島を覆っている放射能の影響が自分の体に何か不都合なことを与えているとは全く考えていなかったのだ。 ところが、福島取材を終えてすぐの夕食時に、突然鼻血が流れ始めたのだ。 これは、不思議な感覚で、鼻血が流れるようなこと、例えば鼻を何かにぶつけるとか、そんなことは何も無いのに突然鼻血が流れ出すのだ。痛くもなんともない、何の前触れ的な感覚もなしに突然流れ始める。これは、本当に気持ちの悪い体験だった。 不思議というか不覚というか、私はこの鼻血を放射能に結びつけることを考えつかなかったのだ。 この鼻血と同時に、私は得体の知れない疲労感を覚えるようになっていた。この疲労感は今までに感じたことが無いもので、背骨を誰かにつかまれて地面の底に引きずり込まれるように感じる。 普通の肉体的疲労感とも精神的疲労とも違う。 経験したことのない疲労感に私は苦しんでいたのだ。 だから、松井先生にそう尋ねられて、私は鼻血と疲労感のことを申しあげた。 すると先生は、「やはり」と仰言って、福島では福島第一原発事故の後鼻血を出す人が多い、その疲労感も多くの人を苦しめている、と言われた。 その時私と同行していた福島取材班のカメラマン安井敏雄さんがそれを聞いて驚いて、「僕も鼻血が出るようになりました」と言った。 すると、先達役の斎藤博之さんも「私もそうです、私の場合歯茎からも出血するようになって」と言うではないか。 これには私も驚いた。「ええっ、我々みんな鼻血が出るようになったのか」 それどころか、安井敏雄さんも斎藤博之さんも「ものすごい疲労感で苦しんでいる」と言うではないか。 私たちは福島取材後その日まで会っていなかったので、お互いの体調を知らなかったのだ。 しかし、取材班全員が鼻血と疲労感で苦しんでいたとは驚いたが、その驚きは深刻な物だった。 松井先生は鼻血と疲労感について、他の人の例も上げて医学的に説明して下さった。 私は何事も論理的に考えなければ気が済まない性質なので、松井先生のご説明に完全に納得出来た。 これ以後私が福島の放射能問題を考えるときに、この松井先生に教えて頂いたことが「最初の一歩」となった。 《この鼻血の件を「美味しんぼ」に書いたら、私が「鼻血問題という風評を流して被害を起こした、と批判する人が大勢出て来て、しまいに安倍晋三首相が私を名指しして『風評被害を起こした』と非難した。知性・品性・下劣で、民主主義を破壊し続けて来た上に、2013年のICOで「福島第一原発事故による放射能問題は完全に抑えられている・日本は安全である」と大嘘をつくような、人間としての一切の誠実さを欠いた卑劣で汚穢まみれの男であっても、首相は首相だ、その言葉の影響は大きく、以後、私は様々なところで犯罪者のような扱いを受けるようになった。(現在でも)》 私は福島の放射能問題を考えるときに最初に松井先生に目を開かれたことが大変に大きい。松井先生に私は心から感謝している。 松井英介先生は1938年生まれ。 岐阜大学放射線講座所属。呼吸器病学。肺がんの予防・早期発見・集団検診並びに治療に携わる。厚生労働省肺がんの診断および治療法の開発に関する研究分担者を務めた。現岐阜環境医学研究所及び座禅洞診療所所長。 社会的活動も重ねてこられた。 反核・平和・環境問題に取り組み、空爆・細菌戦などの被害調査や核爆弾使用における「内部被曝」問題にも関わった。 細菌戦調査のため1990年以降中国での調査団に参加し、731部隊細菌戦資料センター共同代表でもある。 2003年全国最大の岐阜市椿洞不法投棄問題発覚、全国研究者たちに呼びかけ調査委員会を結成、地域連合会と一緒に不法廃棄物の撤去、調査活動を行った。 … Continue reading

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奇怪なことvia 雁屋哲の今日もまた

2019-04-15 […] 話しは2014年に遡ります。 その年の4月末に発売された「ビッグコミック スピリッツ」誌の第22・23合併号に「美味しんぼ 福島の真実編」第22話が掲載されると、突然、新聞、テレビ、週刊誌、インターネットで私に対する非難が巻き起こり、しかも、国会議員、大臣、最後には総理大臣まで乗り出してきました。 安倍晋三首相が「美味しんぼ」を風評被害を巻き起こすと非難するのがテレビで流されました。 […] 私は取材の最後に、2013年4月に、埼玉県に避難していた福島第一原発事故の際の双葉町の町長井戸川克隆さんを訪ねました。 たまたまその際に、偶然、岐阜環境医学研究所の所長の松井英介先生が同席されていました。 松井先生が、「福島に取材に何度か行かれたそうですが、体調に変わりはありませんか」と私に尋ねられます。 で、私が「理由が分からないのに突然鼻血が出まして」といったら、松井先生は「やはり」と仰言います。 同時に、福島取材で色々と力を貸して下さった、斎藤博之さんが、驚いて、「えっ!雁屋さんもなの!僕もそうなんだよ。あれ以来何度か出るようになった。病院に行っても理由が分からないと言うんだ」 すると、取材にずっと同行してくれていた安井敏雄カメラマンが、「僕もそうなんですよ」と言います。 なんと、福島取材に行った我々取材班4人の中の3人が鼻血を出していたんです。 ついでに私が耐え難い疲労感について言うと、斎藤博之さんも、安井敏雄さんも「ああ、私もそうですよ」「いや、ひどく疲れてたまらないんです」といいます。 驚いたことに、それを聞いて井戸川前町長が、「私も鼻血が出ます。今度の町長選の立候補を取りやめたのは、疲労感が耐え難いまでになったからです」と仰言るではありませんか。 さらに、「私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。ただ、言わないだけです」と仰言る。 すると松井英介先生が、「大坂で放射能に汚染されたがれきの焼却処理が行われた際、大阪の市民団体がインターネットで体調変化を訴える声を募ったところ、声を寄せた946人中、842人が、鼻血、目、喉や皮膚など空気に触れる部分の症状を訴えている」と仰言った。 放射線だけの影響とは断定できないと松井先生は仰言ったが、それは大変なことではないでしょうか。 松井先生の説明では、「鼻の粘膜や、毛細血管細胞の70〜80パーセントは水で出来ている。水の分子H2Oは放射能で切断されて水酸基(-OH)のような、毒性の強いラジカルと呼ばれるものになる。しかも、ラジカル同士がくっつくとH2O2(過酸化水素)になる。過酸化水素はオキシフルとして消毒薬に用いられるくらい毒性が強い。放射能は直接粘膜や毛細血管の細胞・DNAを傷つけるが、同時に水の分子が切断されて細胞の中に出来るラジカルによる作用が大きい」 ということです。 福島で人びとが受けている放射能被害は、福島第一原発から放出された放射性微粒子によるものです。 放射性微粒子は呼吸によって肺から血管に入り体中に回ります。食べ物や水と一緒に取り込まれ、消化器から血管内にはいり込み、やはり体内に回ります。 そのようにして体内に入った放射性微粒子は何処かの臓器に付着すると、その臓器の付着した部分に害を与える。 微粒子一個はマイクロの単位で極めて小さいけれど、付着した臓器の微粒子の周辺の細胞は破壊される。しかも、その微粒子の数が極めて多い。結果的に臓器の被害は大きくなる。 空間線量が1ミリ・シーベルトとすると、その空間に浮遊している微粒子の数はそれこそ無数。 一呼吸だけで何千・何万の放射性微粒子が体内に入る。 一個当たりの微粒子の害は小さくても、それが、何千・何万となると鼻血を出させたり、疲労感を感じさせる原因を作るのでしょう。 (斎藤博之さんは、私達の福島取材の前に、取材に適した場所を選ぶために何度も福島に通い、結果として私達の数倍被爆したことになります。 その後、斎藤さんの体調は回復せず、歯茎からも血が出るようになり、2017年に脳梗塞で亡くなりました。死因が放射能によるものかどうかは明かではありませんが、私が「鉄の胃袋魔神」とあだ名をつけたほど、活発で食欲旺盛だった斎藤さんが、福島の取材を終えた後、鼻血、激しい疲労感、歯茎からの出血などで、衰弱したことは確かです。東北地方の民俗学的知識の豊富なことと言ったら歩く民俗学事典のような人で、おまけにマルクスの資本論は端から端まで頭の中に入っているという凄さでした。例えば、私が、マルクスが、ルイ15世の愛妾・マダム・ポンパドールの「我が亡き後に洪水は来たれ」という言葉を引用したのは何処だっけ、と尋ねたら、ちょっと待ってねと言って、3,4分後に、あれは第1部『資本の生産過程』第3篇『絶対的剰余価値の生産』第8章『労働日』に書かれているよ、と返事がありました。感性豊かで、明敏な頭脳。本当に惜しい人を亡くしました。私にとって真の友人であり、同志でした。斎藤さん本当に有り難うございました。ご冥福をお祈りします。 斎藤博之さんについてはこのブログにも書きました。 […] そして話しは2019年に飛びます。 当時の編集長からメールが来ました。 以下に、氏の承諾を得て、そのメールを書き写します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 少し愉快なことがございましたので ご報告させていただこうとメールをさせていただきました。 昨年の12月に中国と日本の出版ビジネスを手がけている会社から 日中のデジタル・ゲーム関係のフォーラムに 出席しませんかと声をかけられました。 … Continue reading

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美味しんぼ・雁屋哲さんが憂慮する生産者の内部被曝。〝鼻血騒動〟には「嘘つきはどっちだ」と怒り via 民の声新聞

漫画「美味しんぼ」の原作者・雁屋哲さんと前双葉町長・井戸川克隆さんの講演会が7日夜、埼玉県さいたま市内で開かれた。2年前、鼻血の描写を巡って激しいバッシングを受けた雁屋さんは「鼻血は内部被曝の典型」と語り、「福島の作物を買って応援することは、農家の内部被曝につながる」と語った。井戸川さんは「除染は住民を避難させないためのカムフラージュだ」と批判した。2人に共通するのは、低線量被曝は他人事ではないということ。原発事故から5年。被曝についてもはや考えなくなりましたか?被曝リスクは過去の話ですか? […] 【「作物が安全でも農作業で被曝する」】 原発事故直後は、福島の作物を広く買ってもらうことで農家を応援していたという雁屋さん。「福島を巡っているうちに、これはいかんと思うようになった。作物が良くったって、農家が被曝する。野菜だけは安全。でも農家には危険。そういうものを勧めて良いのでしょうか。これは応援、助けることにはならない。だから今は福島の作物を買わないよう言っている」。 ある無農薬農家が生産した米は、全袋検査で99%が11Bq/kg以下だったという。雁屋さんが「良かったですね」と言うと、こんな本音を漏らしたという。 「でも怖いですよ。農作業で被曝するんですから。現実に疲れるんです」 厚労省は今月2日、栃木県産のコシアブラ(流通品)から2200Bq/kgの放射性セシウムが検出されたと発表した。「コシアブラの天ぷらは最高に美味しいのに、もう食べられない…。皆さん、のんびりしていてはいけません。内部被曝についてきちんと考えて欲しい。声をあげないと、政治家の嘘にやられっ放しになってしまいますよ」。 雁屋さんの低い声が会場に響いた。 井戸川さんも、こう続いた。 「(被曝を避けるには)何しろ、福島から離れるしかないのです 全文は 美味しんぼ・雁屋哲さんが憂慮する生産者の内部被曝。〝鼻血騒動〟には「嘘つきはどっちだ」と怒り

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本当に被ばくが原因? あらためて考える『美味しんぼ』雁屋哲氏の“鼻血問題” via Health Press

(抜粋) この“鼻血問題”とは何だったのか? 2015年12月23日、一橋大学での講演「福島への思い★美味しんぼ『鼻血問題』に答える」では、雁屋氏の対談相手として北海道がんセンター名誉院長の西尾正道医師が登壇。二人は実体験を交えながら、医学的な考察を語っている。 鼻血は本当に出たのか? 取材のため福島に2年通ったという雁屋氏は、次のように語っている。 「福島での取材時、食事中に止めどなく出てきて、ティッシュの箱半分の紙を使いました。福島に行ってからというもの、疲労感もすさまじく2時間仕 事をすると、それ以上続けられないといった状態。体調が落ち着いたのは福島を離れてずいぶん後になってからです。こんなことは初めてでした」 雁屋氏の証言に対し、西尾医師はこうコメントした。 「3.11の後、北海道がんセンターで1000人ほど内部被ばくを診ました。子どもを連れてきたお母さんが言うんです。『子どもが喉を痛がるし、鼻血が出る』とね。現実に事故直後、それまで鼻血を出したことのない多くの子どもが、鼻血を出しました」 「たとえば、福島県伊達市の保原小学校の『保健だより』には『鼻血を出す子が多かった』と通知されています。 空気中に飛散した粉塵からセシウム 鼻血と被ばくの因果関係については、西尾医師はこう説明する。 「事故当時、空気中には粉塵がたくさんあった(空気中の粉塵が多ければ、それだけで鼻血ができるという論文もある)。つくば気象研究所の人の測定 データでは、3月15と21日にピークがあり、採取した0.5~2.5ミクロンの大きさの塵を放射線のイメージングプレートで見ると黒点がたくさん現れ た。これは放射線そのもの。スペクトルメーターで測るとセシウムを出す微粒子でした」 「放射性浮遊物を呼吸で取り込むと、鼻腔、咽頭、器官、口腔粘膜を含めて広範囲に被ばくし、汚いものは繊毛運動で外に押し出そうとする。鼻の入り 口近くのキーゼルバッハは最も静脈が密集していて、ここに放射性物質がたまり、影響を受けやすい子が出血しても不思議ではない」 政府が言うようにストレスが原因 「ストレスによって円形脱毛症、胃潰瘍、うつなどにはなりますが、政府が言うようにストレスが原因で鼻血が出ることはありません。『500msvの放射線量を浴びないと鼻血は出ない』と主張しますが、その場合、白血球、血小板、赤血球が減り、何より下痢をします」 「ところがあの当時、そんなたくさん放射能を浴びていません。鼻血は全身症状として出ているわけではないんです」 (略) 西尾医師は、「事故後の急性期の影響がおさまって鼻血を出す人が少なくなったことから、鼻腔を診察したこともないと思われる専門家と称する学者たちが、政府や行政を巻き込み鼻血と放射線の影響を全否定しているにすぎません」と強調した。 全文は 本当に被ばくが原因? あらためて考える『美味しんぼ』雁屋哲氏の“鼻血問題”

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ロンブー田村淳 謝罪 訂正 そして伝えたい事 via 日刊スポーツ

ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、日刊スポーツのさまざまな分野の記者が話を聞く連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」。今回は、9日に掲載した 「原発問題。都合の悪い歴史こそ残そう」について、淳が「話したいことがあります」として、日刊スポーツにやってきました。本来の予定を変更して、急きょ 前回のコラムについての思いを掲載します。 9日のコラムで、北茨城に行った翌日に鼻血が出た経験について話をしました。この鼻血の表現の部分について、不確定な要素がありながら誤解を招くような表現をしてしまったことについて、謝罪をいたします。 2011年3月に北茨城に行きました。帰った翌朝に鼻血が出ました。当時は、まだ「美味しんぼ」の話は出ていませんから、こんなに大量に鼻血が出 たのは、被災地での惨状を目の当たりにして興奮してたんだろうなと思っていました。14年になって「美味しんぼ」の鼻血の話題が出て、あの時のことを思い 出して、当時心配になった…という事が伝えたかったのですが、僕の言葉の選び方が未熟なせいで、因果関係がはっきりしていないことを因果関係があるように も感じられる表現になってしまった。そのことを、僕は謝罪したいから、あらためて場を設けてほしいと思いました。 前回の記事が出て、SNSを通じて相当の意見が来ました。意見も交換しました。ある方の「放射線は確かに怖いものです。しかし、事実に基づかない 偏見、差別、誹謗(ひぼう)中傷は人としてもっと怖く悲しい行動です」という言葉があって、この言葉が一番響きました…。僕は今回のことで自分の体を調べ 上げてもいないし、発信者として、多くの人に影響を与え得る立場の人間として…。僕の発言で、北茨城や福島の人に迷惑をかけてしまったとしたら、本当に申 し訳ありませんでした。 (略) 除染については、僕は必要だからしているんでしょうと思っている。でも、意見をくれた人の中には「必要ない」という意見もあります。この議論って、 どっちが正しいのかどっちが間違っているという議論になりがちですよね。放射線がどこまでが安全でどこからが危険か。反対の人はずっと反対だし、心配な人 はずっと心配なんです。 だから、前回のコラムを読んでくれた方と対話をしていく中で、原発事故の問題ってそういう問題なんだということに気付かされました。ただ線量が高 いから除染すればいいって事じゃなくて、不安にかられている人、大丈夫だと思っている人の意見が入り交じって、物事が前に進まなくなっているのが、一番の 問題なんじゃないかと。 だいたいどんな問題も、議論したら落ち着くんですよね。お互いの意見をぶつけ合って、最後はなんとなく落ち着く場所が探せる。でも、日本が抱えてる問題や特に原発の問題に関しては、落ち着く場所がないんです。 ある人は、自分が調べた知識とか正しいと思った専門家に聞いて意見を提示する。反対側も同じように提示する。でも、これって、結果、誰がジャッジ するんだろうって思います。2011年の3月11日に事故が起きて5年。年月がたてばたつほど、議論はもっと入り組んで、大丈夫だという人と大丈夫じゃな いという人の出口のない論争が、ジャッジされないまま放置されていないか。もしかして、解決できない問題だから、国は時間がたって風化するのを待っている のでは?と思ってしまいました。 原発事故の問題って、メディアに出る人間は口をつぐむのが得策なんでしょう。賛成とか反対とか、言わない方が賢いかもしれない。そういう口をつぐ んでいる人が、自分が原発の問題どっちの意見の人間なんだろうと、一度自問自答してほしい。調べること、考えること、議論することをやめたら、風化してし まう。風化させないためにできる事は議論し続ける事なんだと思いました。 全文は ロンブー田村淳 謝罪 訂正 そして伝えたい事 当サイト既出関連記事:ロンブー淳 原発問題。都合の悪い歴史こそ残そう via 日刊スポーツ

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ロンブー淳 原発問題。都合の悪い歴史こそ残そう via 日刊スポーツ

(抜粋) 原発は「大丈夫だ」って言うけど「大丈夫じゃないっぽいな」とボクは思っています。でも、自分の目で見ていないのに「大丈夫じゃない」とは言いたく なかったので、行きました。Jビレッジとか、国道6号線とか。国道から海の方へ向かって、東京電力福島第1原発と第2原発の間の岬にも行ってみた。枯れた 草とかも当時のままで、線量計がずっとビービービービー鳴ってるんですけど、そんなことにも慣れちゃうんですよね…慣れちゃいけない事なのに…あまりにも 当たり前に鳴りっぱなしで、おかしな感覚になるんですよね。 国道6号沿いの田んぼに、汚染土が入った黒い袋を積んだ山みたいのがあるんですよね。震災から復興に向かってちょっと動いてるのかなと思っていたんですが、むしろ被害が広がっていると感じた。あの黒い山が被害そのものですよね。 今まで、どこにも言ってなかったですけど…、「美味しんぼ」で鼻血の話があったじゃないですか。実はボクも北茨城に行った次の日、朝起きたら、こ んな量がでるのかってくらい、吐血!?って思うくらい、布団が鼻血まみれになっていたことがあったんです。北茨城に行って興奮していたのか、いきなり線量 高いのに当たってそうなったのか、それはわからない…。今となっては調べようがないですからね。でも、だからこそ「美味しんぼ」のような話も、ボクはなく はないと思っていたんです。 ボクは自粛をするタイプの人間ではない方ですが、完全に黙ることを選びました。伝え方と、伝える時期って本当に難しい…でもあの時のボクは黙る事 を選びました…真意が伝わらないのも嫌だし、話がそれるのも嫌だったし、鼻血と放射能の因果関係、事実確認が取れてない事を言いたくなかったからです。こ うやって自分の言葉で伝えられて、捻じ曲げられず伝えられる場所があれば、あの時、鼻血が出た理由は分からないけれど、聞かれればしゃべるようにしていま す。 (略) 双葉町に「原子力明るい未来のエネルギー」っていう看板がありました。残したかったですよね…。ボクもツイッターで残そう、と呼び掛けたけれど。マイナス面を消し去るってことは、絶対しちゃいけないと思ってるんです。 東京電力が街にやって来て良いこともあったし悪いこともあった。事故も実際起きた。そこを全部知ることが歴史じゃないかと思うんです。戦国大名み たいに、“勝ったら都合が悪い歴史を塗り替えていく”みたいなことをしだしたら、これから先の人が見て学ぶ術や、情報を減らすことになってしまう。ああい うものって、残せるだけ残した方がいいとボクは思います。 当たり前のようにあの下を車がバンバン通って、何にも思わない時期もあった。むしろ「原子力ありがとう」っていう時期もあったはず。でも今あそこ の下をくぐる時には、ものすごいいろんなことを考えさせられる。だから、看板はあった方がいい。残していると都合が悪い人がいるんでしょうね…。すげえ必 死になって撤去しようとしたのが、ボクはなんか不自然だなと思いました。 政治家は事故は収束したっていうけれど、収束はしていないですよね。今年行ったJビレッジも、バスのピストン輸送がひっきりなしに動いていて…。 全文は ロンブー淳 原発問題。都合の悪い歴史こそ残そう

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「福島の人たちには逃げる勇気を持ってほしい」 鼻血問題の『美味しんぼ』著者が風評差別に反論! via 夕刊アメーバニュース

福島を取材で訪れた主人公が鼻血を出す描写が大バッシングを受けた『美味(おい)しんぼ』鼻血問題。 騒動から10ヵ月がたった先月、原作者の雁屋哲氏が沈黙を破り、ついに反論本『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を刊行。鼻血は決して風評ではないとする著者に、じっくりと話を聞いた。(第1回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/13/44879/)、(第2回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/19/45279/) PART3では、鼻血騒動に対する福島県民からの意外な反応について、そして福島へのメッセージをお送りする―。 *** […] 雁屋  僕は福島がすごく好きでね。本当は福島応援団のつもりで行ったんです。だから最初は内部被曝に対する考えも甘かったんです。だが、調べていくと原発事故以 後の食べ物は相当に汚染されていることがわかった。例えば、セシウムが25ベクレル含まれた食べ物を一日100g食べたとすると、それだけで事故前より 147倍も多く摂取することになる(注・日本分析センターが2008年に調査した日常食に含まれるセシウム137の福島市の結果から推定)。 でも、国が食品の基準値を100ベクレル以下と決めたことで、みんなが食品は100ベクレル以下ならいいと思ってしまった。それに食べ物の放射線量も問題だけど、そこで農作業している人たちの被曝はもっと深刻です。 ―どういうことですか? 雁屋  土壌に放射性物質がすごく含まれてるでしょう。農作業をしていて土壌を耕すとそれが舞い上がる。田んぼの周りにいるだけで風が吹けば吸ってしまう。だから 食品の線量が低くなってもやっぱりダメだという結論に達したわけです。福島県庁だって僕が行った時には毎時0.5μSvあった。避難指定にすべきですよ。 土地の汚染はいくら除染したって取り切れませんから。 ―住民の中には被曝は怖いけど、いろんな事情で避難しない人もいます。どうしたらよいでしょうか。 雁屋  本当はここに住みたくないと声を上げることです。かなりの人が声を上げたら、日本人はみんな絶対に反応して応援します。外からなんとかしろと言ってもダメ なんです。ある県民が福島の人は従順でおとなしいと言っていましたが、自分の命がかかっているのだから反抗すべきです。 僕がこういうこと言うと福島差別だって言う人がいるけど、それは逆。福島を差別している人だから「年間20mSvでも住め」なんて平気で言えるんだ。もし 福島県の人たちを自分と同じ人間だと思ったら、「福島以外に住む僕たちは年間1mSvなのに、なぜあの人たちは20mSvで平気なんだ」と疑問を持って言 うべきでしょう。 […] ―今、意見が違うと対話もできない風潮になっています。 雁屋  意見が食い違うだけでなく、福島の真実を語ると社会の裏切り者みたいな空気がある。みんなの和を乱すようなことするなって。とにかく僕はきちんともう一度 議論したい。みんながいろんな意見を言う。それをしないで縮こまっちゃって、特に福島では放射能のことを何か言うと「おかしい」って言われる。 でも自分たちの命がかかってることなんです。福島の人たちには声を上げてもらいたいし、福島から逃げる勇気を持ってほしいと思います。 全文は  「福島の人たちには逃げる勇気を持ってほしい」 鼻血問題の『美味しんぼ』著者が風評差別に反論!    関連記事: <第1回>『美味しんぼ』鼻血問題で「風評被害だ」と大バッシングを受けた原作者・雁屋哲が騒動の真相を激白! via 週プレニュース <第2回>「鼻血騒動を検証しない科学者たちこそ非科学的」大バッシングを受けた『美味しんぼ』著者が激白! via 週プレニュース  

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「美味しんぼ」福島の真実編へのコメント(日本放射線影響学会) via ガジェット通信

「美味しんぼ」では、低線量放射線の身体的影響に関して、以下のように描かれています。まず、登場人物が東京電力福島第一原子力発電所を視察した後に、鼻からの出血や疲労感を訴える場面が描かれています。また、大阪府・大阪市が実施した岩手県の震災がれき焼却によって身体的不調を訴える人が大勢いたことを専門家が説明する場面も描かれています。 低線量放射線の身体的影響については、これまでに数多くの学術研究が行われており、以下のことが明らかになっています。 放射線被ばく後、数週間以内に現れる身体的な異常を放射線による早期影響といいます。放射線による早期影響は、ある一定の被ばく線量を超えると現れます。被ばくした100人に1人以上の割合で影響が現れる最低線量をしきい線量と呼び、これまでに数多くのしきい線量に関するデータが蓄積されてきました。成人で最も低い線量で現れる影響は、睾丸への被ばくによる一時的不妊で、しきい線量は100 mGyと推定されています(国際放射線防護委員会2007年勧告, ICRP Publication 103)。これより低い線量の被ばくでは、鼻血や全身倦怠を含めて臨床的に観察可能な放射線が直接原因となる身体的影響は報告されていません。 […] 私達、放射線影響学会員は、放射線の生物影響を遺伝子、細胞、動物、及びヒトなど様々なレベルで研究しています。偶然ではなく、再現性をもって放射線が原因となる生物影響とそのメカニズムを明らかにしようと不断の努力を積み重ねています。しかし、生物影響の現れ方は多様で、動物実験が困難な研究もあります。そのため、放射線の人体影響については、未知のことが多く残されています。 […] もっと読む。

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『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』を読む――原作者による反論本は問題描写に決着を付けたか? via おたぽる

(抜粋) 本書の中心テーマとなる「鼻血描写が根拠のないデタラメかどうか」は、第3章『「鼻血問題」への反論』と第6章『内部被曝と低線量被曝について』で雁屋氏なりの具体的な反論が試みられている。 ■“鼻血シーン”掲載後の反響はどうだったか? “鼻血シーン”掲載後の反響については、第1章『なぜ、私はこの本を書いたのか』に詳しく書かれている。各マスコミやインターネットユーザー、大臣 などから寄せられた多くの声に対し、雁屋氏は「非難とか批判というものではなく、『美味しんぼ』という作品と私という人間を否定する攻撃だったと思いま す」と述懐している。そうした批判の声を雁屋氏は「感情的に、それこそ人々をあおり立てるだけで、鼻血と放射線の関係について、まともな議論をしないから です」と切り捨てる。ただ本書には記されていないが、「スピリッツ」連載にて“鼻血シーン”が炎上した際には、ネット上で雁屋氏に対して「よくぞ真実を 語ってくれた!」と賞賛する声も決して少なくはなかったことを付け加えておきたい。 なお「スピリッツ」の編集部員は“鼻血シーン”掲載号の発売後、殺到する苦情処理に追われて編集作業に支障が生じるようになり、あわや休刊しなけ ればならないところまで追い詰められていたそうだ。業務に支障が出るほど激しいクレームの電話について、本書によると、雁屋氏は「そんな電話をかけてくる のは、普通の人間ではない、どこかの団体か組織に属する人間、プロフェッショナルの人間だろう」と考えていたとのこと。 雁屋氏はそんな状態でマスコミからの取材を受けても悪い結果しか生まないからと沈黙を選び、事態が沈静化した現在になって本書を発表したという。 ■“鼻血”の根拠は明確になっているのか? 雁屋氏や取材同行者、そして『美味しんぼ』本編にも登場した井戸川 克隆氏(双葉町の前町長)などは、鼻血や耐え難い疲労感といった症状に見舞われたという。雁屋氏は数々の実験・調査データを引用し、自身の推測もまじえな がら「鼻血が出ている人がいる」ことと「鼻血が出るメカニズム」について語っている。 鼻血が出ている人が多いことは、2012年に福島県双葉町で行なわれた疫学調査をもとに、他県(宮城県・滋賀県)と比べて、双葉町では「体がだる い、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状」が有意に多いことをデータで示した。ほかにチェルノブイリ周辺で実施された調査など も引用しながら原発事故と鼻血(を含む諸症状)の関連性を示唆している。 (略) しかし本書第4章『福島を歩く』において雁屋氏は『美味しんぼ』110巻を実例に挙げ、「風評被害と戦ってきたのは、私だ」と述べている。 これはたしかに一面の事実を含むものだ。「福島の真実編」の前半パートとなる当該巻(110巻)では、主人公の山岡たちが福島県産というだけで農作物が売れない現状を目の当たりにし、「風評被害を何とかしなくては」という思いが福島取材の重要な指針となっている。 また、本書においては第4章・第5章『福島第1原発を見る』を中心に、雁屋氏の福島県への熱い思いが語られている。取材開始した当初はまだどんな 描写にするか決めておらず、現地で出会った人々から話を聞き、実際に福島第一原発を取材する中で危機感を強めていったという。「捕った魚を出荷できない 『宝の海』」「福島の海をけがし続ける大量の汚染水」「原発に反対したら、危険人物」など――詳細は書かずとも見出し項目名だけで、雁屋氏が現地取材に よって感じた“被災地の苦悩”をある程度推し量ってもらえることと思う。 そうした人々の声を知った上で、雁屋氏は「福島を応援すればそれでいいのか」と語る。『美味しんぼ』原作を執筆するにあたって葛藤は大きく、汚染 された土地や農作物を作中に描くにあたって「私の心は千々に乱れたのです」「とにかく、本当に辛かった」と本書中で何度も心情を吐露している。だが雁屋氏 はそれを描ききった上で、「福島は安全」と喧伝する電力会社・政府・マスコミ・学者たちを痛烈に批判する。最終的に「福島の人たちよ、自分を守るのは自分 だけです。福島から逃げる勇気を持ってください」と本書を締めくくっている。 住み慣れた先祖伝来の土地を離れても、人さえ生きていれば復興はできる。大事なのは「土地としての福島の復興」ではなく、「福島の人たちの復興」 であると雁屋氏は考える。そんな思いが行き過ぎて作中の「福島に住んではいけない」という過激なセリフに至り、その部分だけが一人歩きして大騒動になった ――という経緯が本書を読むとよくわかる。 全文は『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』を読む――原作者による反論本は問題描写に決着を付けたか? 当サイト既出関連記事: (表現のまわりで)「鼻血問題」への思い 「美味しんぼ」原作者・雁屋哲さん via 朝日新聞 色々と via … Continue reading

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(表現のまわりで)「鼻血問題」への思い 「美味しんぼ」原作者・雁屋哲さん via 朝日新聞

昨春、週刊ビッグコミックスピリッツに掲載された漫画「美味しんぼ」は、東京電力福島第一原発を訪れた主人公が鼻血を出す描写などが厳しく批判された。『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を2日に出版した原作者の雁屋哲さん(73)に、今の思いを聞いた。 (略) 問題とされたのは同誌の昨年4月28日と5月12日発売の号。福島第一原発の構内を取材した主人公らが原因不明の鼻血を出し、福島県双葉町の前町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と語る場面や、前町長や福島大の教員が「福島はもう住めない」などと語る場面が描かれた。 ■表現などを修正 昨年末に発売された単行本第111巻では、主人公が鼻血を出す描写は残ったが、被曝(ひばく)との因果関係をめぐる表現など10カ所以上を修正し た。「批判の矛先が取材の証言者にも向かったため、その人たちを守る必要がありました。取材した中から穏当な言葉を選び直し、誤解がないように解説を付け て発行しました」 雁屋さんは、福島第一原発取材後、経験のない疲労感に襲われ、鼻血が続いたという。チェルノブイリや福島県で鼻血を出した人たちの記録なども調べたと話す。「福島では、私以外にも原因不明の鼻血を出した人たちがいますが、議論すらされない」 ただ、鼻血については、多くの専門家が「被曝との因果関係は科学的に考えられない」と指摘する。 環境省も「被曝が原因で住民に鼻血が多発しているとは考えられない」と見解を発表。福島県が実施した県民健康調査の結果から、疲労感・鼻血などの症状が表れるほどの被曝をした人は確認されていないと説明した。 (略) この問題では、安倍内閣の閣僚などからも、「根拠のない差別や偏見を助長する」「風評被害を招く」といった批判が続出した。雁屋さんは、住民が不安な気持ちを率直に公言できることが必要だという。 「福島は安全とする国への異論は、『風評』の一言で封じ込まれてしまう。批判することを許さず、何もなかったことにさせようとしているように感じます。大事なのは、議論すること。私の意見が間違っているというのなら、一緒に議論しましょうよ」 全文は(表現のまわりで)「鼻血問題」への思い 「美味しんぼ」原作者・雁屋哲さん 

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