高齢化、貧困…被災地の課題にどう対応 福島大でシンポ via 朝日新聞

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南相馬市の人口は約5万4千人で、震災前と比べて約1万7千人減った。ただ、65歳以上人口はほとんど変わらず、高齢化率は震災直前の26%から33%まで増えた。楢葉町でも高齢化率は38%に上るが、相双地域では医療施設の8割、福祉施設の4割が休止中で、お年寄りに医療や介護のサービスを提供することが課題となっている。

楢葉町からは、介護保険のサービスには含まれていない「地域での運動教室」を通じて介護予防を図っていることが報告された。

住民同士でお互いに助け合い、住民の意識も改革するのが狙いとされたが、町住民福祉課主幹の玉根幸恵さんは「地域でできる所と、行政が入らないとできない所は分けて考えている」と述べ、行政の関与も必要との認識を示した。

ログイン前の続き原発事故の被災地では、東京電力からの賠償金などで、原発事故以降、生活保護世帯が減少していた。しかし、賠償金を使い切った世帯を中心に再申請が増えているという。また、全国から集まった除染作業員が仕事を失い、被災地で生活保護を申請するケースが増えていることも報告された。南相馬市では昨年度の生活保護申請80件のうち、15件が除染作業員だった。

自治体側からの報告に対し、厚生労働省生活困窮者自立支援室長の本後健さんは、2015年4月から「生活困窮者自立支援制度」を立ち上げ、暮らしに困っている人の自立を助け、生活保護が必要となる前の段階での支援を進めていることを説明。そのうえで、「近所づきあいの中で困っている人に気づけることが重要。制度だけでは解決できない」と地域コミュニティーの重要性を強調した。

 

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