[…]
電源開発(Jパワー)が青森県大間町に建設している大間原発。同町の石戸秀雄町議会議長(66)は、こう言う。
町議会が84年に大間原発の誘致を決議して、32年がたつ。それ以前から町議を務め、国の原子力政策を見てきた石戸議長は、過去の経験から建設が中止になる不安をかき消せずにいる。
「国は、コストがかかるからやめると言っている」。95年夏、病床の故金沢弘康町長に告げられたときのショックを覚えている。
誘致予定だった新型転換炉は、建設計画を決めた85年から毎年のように着工を1年ずつ延期。国は95年、計画の撤回を決めた。<震災影響で停滞>
代わりに出てきたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心に使う原発の計画は、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の影響で大きく停滞。Jパワーは正式な運転開始の時期を示せないまま2014年、15年、16年と3年続けて見通しを変更した。
ずるずると延期される見通しと建設コストの増大が、かつての二の舞にならないかという不安をあおる。
石戸議長は「今は信じるしかないが、原発計画がなくなる日が来るかもしれない。そうだとしても国への協力を続けていれば、代替施設の話が出てくるはずだ」と期待を寄せる。
下北のエネルギー開発はなぜ、順風満帆とは行かないのか。
[…]
もっと読む。