福島米 全袋検査縮小へ…20年にも 避難解除地域除き via 毎日新聞

 福島県は18日、東京電力福島第1原発事故後に実施している県産米の放射性物質の全量全袋検査について、2020年にも果物や野菜と同じモニタリング(抽出)検査に切り替える方針を決めた。近く正式決定する。年間約1000万袋の検査費が60億円にも及んでいる一方、放射性セシウムの国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)超えのコメが過去3年でゼロだったことが検査体制を縮小する主な理由。ただし、原発事故による避難指示が出た地域は全袋検査を当面継続する。

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 県によると、全袋検査が始まった12年産は国の基準値超えが全体の0.0007%にあたる71点あった。その後、放射性セシウムの自然減衰や農家による土壌管理が進み、15年産以降の基準値超えはなく、検出下限値(同25ベクレル)未満が99.99%を超えたという。

 こうした状況を受け、県は原発事故の影響は着実に減少したと判断。無作為抽出した一部を測るモニタリング検査に切り替えるのが妥当とし、2、3年の準備期間を設けることにした。避難指示が解除された地域は稲作の再開途上にあり、安全性を担保するデータが十分蓄積できるまで全袋検査は継続される。農家が自家消費のため作ったコメは希望があれば検査するとした。

 全袋検査を巡っては、年間約60億円必要な検査費のうち約50億円を県が拠出して東電に損害賠償請求し、約10億円は国の補助金が充てられており、事実上多額の税金が投入されている。

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