放射能災害を引き起こしてでも金に群がる人々 via Net IB News

NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。本日は、第3次安倍改造内閣の復興相に就任した高木毅衆院議員(福井 2区)の父、高木幸一氏が、1979年から95年まで4期16年にわたって福井県敦賀市長を務めるなかで原発の本音に迫る発言を行っていることを取り上げ た10月15日のブログを紹介する。

(略)

10月7日の内閣改造で第3次安倍改造内閣は高木孝一氏の子息である高木毅衆院議員(福井2区)は復興相に就任した。原発事故で原発立地地域周辺は 取り返しのつかない被害を蒙った。その被害は東日本一帯に広がっている。政府は原発事故の健康被害を正しく伝えていないが、広瀬隆氏が厳しく指摘するよう に、その深刻な影響はこれから顕在化する可能性が高い。
甲状腺がんの発生比率が飛躍的に高まっているとの指摘もある。原発事故の影響が収束しているなどというのは事実誤認も甚だしい、犯罪的な言説であると言って過言でない。

高木氏の講演での発言を以下に転載させていただく。少し長い内容になるが、あえて全文を転載させていただく。日本の原発の本質を浮き彫りにする講演内容である。
「『只今ご紹介頂きました敦賀市長、高木でございます。えー、今日は皆さん方、広域商工会主催によります、原子力といわゆる関係地域の問題等についての勉強会をおやりになろうということで、非常に意義あることではなかろうか、というふうに存じております。
…ご連絡を頂きまして、正しく原子力発電所というものを理解していただくということについては、とにもかくにも私は快くひとつ、馳せ参じさせて頂くことにいたしましょう、ということで、引き受けた訳でございます。
……一昨年もちょうど4月でございましたが敦賀1号炉からコバルト60がその前の排出口のところのホンダワラに付着したというふうなことで、世界中が大騒ぎをいたした訳でございます。
私は、その4月18日にそうしたことが報道されましてから、20日の日にフランスへ行った。
いかにも、そんなことは新聞報道、マスコミは騒ぐけれど、コバルト60がホンダワラに付いたといって、私は何か(なぜ騒ぐのか)、さっぱりもうわからない。
そのホンダワラを1年食ったって、規制量の量(放射線被曝のこと)にはならない。

(略)

いまだに一昨年の事故で大きな損をしたとか、事故が起きて困ったとかいう人は全く一人もおりません。まあ言うなれば、率直に言うなれば、一年一 回ぐらいは、あんなことがあればいいがなあ、そういうふうなのが敦賀の町の現状なんです。笑い話のようですが、もうそんなんでホクホクなんですよ。

(略)

そうなると原子力発電所にしろ、電力会社にしろ、対応しきれんだろうから、これはお互いにもう口外せず、自分は自分なりに、ひとつやっていこうじゃないか、というふうなことでございまして、例えば敦賀の場合、敦賀2号機のカネが7年間で42億入ってくる。
三法のカネが7年間でそれだけ入ってくる。それに「もんじゅ」がございますと、出力は低いですが、その危険性……、うん、いやまあ、建設費はかかりますの で、建設費と比較検討しますと入ってくるカネが60数億円になろうかと思っておるわけでございます…(会場感嘆の声と溜息がもれる)。

(略)

今年ひとつやってやろうか、と。そう思いまして、まあたいしたカネじゃございませんが、6000万円でしたけれど、もうやっぱり原電、動燃へ、ポッポッと走って行った(会場ドッと笑い)。
あっ、わかりました、ということで、すぐカネが出ましてね。
それに調子づきまして、今度は北陸一の宮、これもひとつ6億で修復したいと、市長という立場ではなくて、高木孝一個人が奉賛会長になりまして、6億の修復をやろうと。
今日はここまで(講演に)来ましたんで、新年会をひとつ、金沢でやって、明日はまた、富山の北電(北陸電力)へ行きましてね、火力発電所を作らせたる、1億円寄付してくれ(ドッと笑い)。
これで皆さん、3億円既に出来た。こんなの作るの、わけないなあ、こういうふうに思っとる(再び笑い)。
まあそんな訳で短大は建つわ、高校は出来るわ、50億円で運動公園は出来るわね。
火葬場はボツボツ私も歳になってきたから、これも今、あのカネで計画しておる、といったようなことで、そりゃあもうまったくタナボタ式の街づくりが出来るんじゃなかろうか、と、そういうことで私は皆さんに(原発を)お薦めしたい。これは(私は)信念を持っとる、信念!
……えー、その代わりに100年経って片輪が生まれてくるやら、50後に生まれた子供が全部片輪になるやら、それはわかりませんよ。
わかりませんけど、今の段階では(原発を)おやりになった方がよいのではなかろうか…。
こいうふうに思っております。どうもありがとうございました。(会場、大拍手)』

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