1996年に福島県滝根町(現・田村市滝根町)へ移住してから数年後、元TBS記者の秋山豊寛(73)は、米国製の簡易型放射線測定器を通信販売で買った。
「福島県には70年代の古い原発があるからなあ」
使う日が来るかはわからなかったが、家の机の引き出しにしまっておいた。
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「これでは有機無農薬の農業は無理だ。滝根を出ようか」その一方、同じ考えを持つ農家仲間が20人ほど集まり、酒を酌み交わすうち、話は思わぬほうへと盛り上がっていった。
「俺らで勉強会すっぺ」
「んだ。農業の大学だな」
名前は「あぶくま農業者大学校」、通称「あぶ大」。秋山が教頭に決まった。
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