東京電力福島第一原発事故で精神的苦痛を受けたとして、福島市渡利地区の住民3107人(1107世帯)は21日、東電に慰謝料の支払いを求め、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。弁護団によると、申立人は渡利地区の住民の約19%に上るという。
弁護団によると、原発事故後、渡利地区の空間放射線量は平成23年8月まで毎時2マイクロシーベルトを超えており、住民は高濃度の放射線量にさらされた。同年9月以降は地区の線量が毎時2マイクロシーベルト未満に下がった地点が多かったものの、除染後の汚染物質を自宅敷地内などに置かざるを得なくなるなど精神的苦痛を被っている-としている。
慰謝料の請求額は、申立人1人当たり平成23年3月11日から同年8月までが毎月20万円、同年9月から和解成立時までが毎月10万円。慰謝料は特定避難勧奨地点の住民に対する精神的賠償を参考にしたが、23年8月までは住民が高線量下での生活を強いられた-として額を倍にした。
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