福島県立医大と長崎大は、原発事故と津波などによる複合災害に対応できる人材を育成するため、それぞれの大学院に修士課程「災害・被ばく医療科学共同専攻」(2年間)を共同で設置する。定員は計20人で、2016年4月に開講する。
長崎大は東京電力福島第1原発事故後、一時全村避難した福島県川内村に保健師を健康相談員として常駐させるなど、被爆者医療の経験を生かした支援を続けている。大学院の共同開設も支援活動の一環。
新設するのは医科学と保健看護学の2コース。定員は各大学1コース当たり約5人。夏にも募集要項を発表する。
東京電力福島第1原発事故で、被ばく医療の専門家が不足した反省を踏まえ、災害発生時の緊急医療や住民の長期的な健康管理に幅広く適用できる人材の育成を目指す。
3年間の履修を認め、救急救命士や看護師などの医療従事者、住民の避難計画を策定する自治体職員が働きながら学べる環境も整える。専門学校卒業者は実務経験を加味し、入学資格を認定する。
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福島県立医大の菊地臣一学長は「原発事故で放射線に関する医療、介護を担える人材が不足していることが露呈した。次世代を担う医療人を育てないといけない」と意義を強調する。長崎大の片峰茂学長は「福島と長崎から放射線リスクの専門家を地域や世界に輩出したい」と話す。
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