東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、福島県内で実施している県民健康調査の検討会が18日、福島県内で開催された。事故当時18才以下の子どもを対 象に実施している甲状腺検査で、悪性または悪性疑いと診断されたのは127人にのぼり、そのうち104人が手術によって、甲状腺がんと確定した。また原発 事故以降、同検査を担当してきた鈴木眞一教授が退任した。
先行検査結果
前回2月から3ヶ月ぶりに開催された検討委員会。2011年〜2013年までの間に実施された甲状腺検査の「先行検査」の結果、2次検査の穿刺細胞診で悪性または悪性疑いと診断されたのは、前回の結果より2人多い112人。いわき市が1人、会津若松市が1人増えた。手術例は99人で前回より12人増加。術後の組織診断により、95人が乳頭がん、3人が低分化がん、1人が良性結節と確定診断を受けた。
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本格検査結果
一方、2014年〜2015年にかけて実施されている「本格検査」では、検査結果が確定した12万2000人のうち、2次検査を必要とされたのが 1,043人。このうち穿刺細胞診断を受診した43人のうち、悪性または悪性疑いの判定となったのは、前回の8人から7人増えて15人へ増えた。自治体別 に見ると、南相馬市1人、伊達市1人、福島市4人、二本松市1人の増加となる。この15人のうち14人は、1巡目の検査で異常なしと判定されていた。A1判定が8人、A2判定が6人、B判定が1 人であった。性別は男性 6 人、女性 9 人で、二次検査時点での年齢は10歳から 22歳だった。
被ばくか過剰診断のいずれか
こうした結果について、甲状腺評価部会は検討委員会に中間とりまとめを提出した。同とりまとめでは、これまでの検査結果は「地域がん登録で把握されている 甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。 」と指摘。その理由としては、「被ばくによる過剰発生か過剰診断のいずれか」が考えられるとした。その上で、これまでに発見された甲状腺がんが被ばくによるものかどうかを結論づけることはできないとしながらも、「被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べ てはるかに少ないこと」「 事故当時 5 歳以下からの発見はないこと」などから、放射線の影響とは考えにくいと結論づけた。
全文とビデオは鈴木眞一氏が甲状腺検査責任者を退任〜県民健康調査